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エバーグリーンの瞳を燃やしながら、レオナさまは続ける。
「兄貴を殺してチェカも殺せば容易く手に入る地位だ。だが現実的じゃないだろ？それに俺は『王』と名前が付いたお飾りの地位が欲しいわけじゃ無い。地位の名前の問題じゃないんだよ。民を導き、国をより良く変えた方が王だ」
………ああ、この人はどう足掻いても王子なんだ。
だって、玉座に座る彼を容易く想像できてしまった。
「だから、お前の知識と教養が俺には必要なんだ」
「で、でも、わたしは魔力だって持ってないし…」
わたしの言葉を、レオナさまは鼻で笑い飛ばす。
「魔力を持っていない？魔法は俺が使えば良いだろうが。生憎、魔力は腐るほどあるんでね」
パチンと彼が指を鳴らせば、さっきメモしていた紙に魔法がかけられて、ひとりでに綺麗に折り畳まれ、机の引き出しにスッと入り込んだ。
そのスマートな流れからして、彼の言葉はあながち嘘ではないだろう。
「すごい、ですね…」
「当たり前だろ」
ハッ、と勝ち気な笑みを湛えながら、レオナさまが腕を組む。
「俺と歩む気はないか？A・A」
少し首を傾げわたしの答えを促す、この国の第二王子。
彼の見据える先には、何が映っているんだろう。
「…あなたは、わたしをどこに連れて行ってくださるんですか」
「お前が望むところなら、何処へでもエスコートするさ」
何処へでも。
なんて素敵な響きだろう。
「わたしが、行きたいのは…この国のより良い未来です」
誰もが平等に、平和に暮らせる。
明日の食事の心配をする人なんてひとりもいない。
スラム出身の子が、将来は議会で最前線に立って弁論する。
いや、そもそもスラムなんて無い国。
「それを貴女が欲するなら、叶えて差し上げましょう」
そっとわたしの左手を取り、親指にレオナさまが口付ける。
目標を実現させる、難関に立ち向かう、の意を持った指だ。
この人にここまで言わせて、逆らえるわけがない。
それに、わたしも少しワクワクしていた。
大きな野心をもつ、賢くて強いこの人が、どんな景色をわたしに見せてくれるのか。
「わたしを置いて行かないでくださいね？」
茶化すように言えば、柔らかく美しく笑ったレオナさまが「勿論」と言う。
結局、この人から離れられなくなってしまった。
内心で苦笑いするけれど、これもきっとレオナさまの思惑なんだろう。
自信たっぷりに笑う彼に、改めて忠誠を誓った。
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るり(プロフ) - ネイビーさん» はじめまして〜こちらこそそんなに褒めていただけて光栄です！ありがとうございます^ ^ネイビーさんをギュンギュン(笑)させられるようにわたしも頑張りますね！更新頑張ります！ (2020年6月16日 8時) (
レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
ネイビー - はじめまして！このような素晴らしい作品を書いて下さり、誠にありがとうございます。もう、もう、レオナさんかっこ良すぎて、キュンキュン通り越してギュンギュンでした！これからもずっと応援しています！ (2020年6月16日 1時) (レス) id: a7f9a787f1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 誓雨さん» 誓雨さんありがとうございます〜！とても嬉しいです！そろそろ続編に移ろうかと考えているのでそちらでもよろしくお願いします。頑張りますね〜！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
誓雨(プロフ) - この小説ほんと好きです！レオナさんもカッコいいし夢主ちゃんも可愛いし……いつもキュンキュンしてます！更新頑張ってください！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: fc504e5c9b (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - Aさん» ほ、ほんとだ…わざわざご指摘ありがとうございます！タイトル書き間違えてました…お手数かけてすみません…。頑張りますね！ (2020年6月14日 23時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るり | 作成日時：2020年5月9日 23時
