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「威厳、な。それは確かに必要だが、誰にでも最初から備わっているわけじゃない。後から付いてくるものだ」
「すみません、帝王学の知識はあまりなくて…」
「構わねぇよ。むしろお前はあんな暴論すぎる学問なんて触れない方がいい。よほど不健全だ」
苦々しげな顔をしながら仰る辺り、あまり良い記憶はないのだろう。
「…王に必要な物は、言わずもがな知識だ。もちろんその上位互換の教養も。そして、人を使う才能」
「レオナさまが持っているものばかりじゃないですか」
「いや、まだ足りねぇ。俺は…人を使う以前に使える人間が少なすぎる」
「…それは、あなたのせいじゃありません」
第二王子を歓迎する雰囲気とはお世辞にも言い難いこの国で、彼が生きて行くのには本当に努力が必要なんだろう。
「いや。それも含めて俺の力量だ」
やれやれといった風に頭を振るレオナさま。それでもやっぱりどこかこの状況を楽しんでいるように見えるのは、彼の強さ故か。
「だからこそ、お前とこういう話がしたかったんだよ」
その言葉の意図を何となく察して、体の血の巡りが早くなったような気さえした。
「お前が持っている知識は上辺だけじゃない、本物のそれだ。でなきゃこんな話だって出来ねぇ」
「買い被りすぎじゃないですか…？」
「この俺が人を買い被るって？それこそ冗談だろ」
自信たっぷりに言うレオナさまに、思わず舌を巻く。そういえば、この人の自信も根拠があるものだった。
「そもそも、読み書きができるってだけで十分重宝される世の中だ。読み書きは完璧、宰相並の知識、そして第二王子と政策を議論できるなんて、誰にでもできることじゃない」
「わたしは、何をすれば良いんですか」
目的があって、こんな話をしたんだろう。
レオナさまは、一応今はわたしの主人だ。主人の要望には応えるのが従者の務め。
わたしの質問に、ニヤリと笑ったレオナさまが口を開く。
「お前の時間を俺にくれ。俺の従者である時間は、俺と政策やら何やら、小難しい話をしようじゃないか」
「それは、」
その時間が意味するのは。
「ああ。俺が、王になるために必要な時間だ」
彼の瞳の奥で、ジリッと燃える火が見えた気がした。
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るり(プロフ) - ネイビーさん» はじめまして〜こちらこそそんなに褒めていただけて光栄です！ありがとうございます^ ^ネイビーさんをギュンギュン(笑)させられるようにわたしも頑張りますね！更新頑張ります！ (2020年6月16日 8時) (
レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
ネイビー - はじめまして！このような素晴らしい作品を書いて下さり、誠にありがとうございます。もう、もう、レオナさんかっこ良すぎて、キュンキュン通り越してギュンギュンでした！これからもずっと応援しています！ (2020年6月16日 1時) (レス) id: a7f9a787f1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 誓雨さん» 誓雨さんありがとうございます〜！とても嬉しいです！そろそろ続編に移ろうかと考えているのでそちらでもよろしくお願いします。頑張りますね〜！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
誓雨(プロフ) - この小説ほんと好きです！レオナさんもカッコいいし夢主ちゃんも可愛いし……いつもキュンキュンしてます！更新頑張ってください！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: fc504e5c9b (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - Aさん» ほ、ほんとだ…わざわざご指摘ありがとうございます！タイトル書き間違えてました…お手数かけてすみません…。頑張りますね！ (2020年6月14日 23時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るり | 作成日時：2020年5月9日 23時
