【ツイステ】Once upon a time...【レオナ・キングスカラー】

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「冗談じゃねぇ。一日中煩い毛玉に追い回されてみろ、天使だなんて言えなくなる」

心底嫌そうな顔をしているけれど、そうやって寝かしつけて差し上げるくらいには大事に想ってらっしゃるようだ。

素直じゃない叔父上をもったチェカさまも大変ですね、と言うのは考えるだけにとどめておいた。

「洗い終わった洗濯物をお届けにあがったんです」

「適当に置いとけ。仕舞うのは自分でやる」

「ですが…」

「ガサゴソやられてチェカが起きたら面倒だ」

心底辟易したような表情で言われ、それ以上言うのはやめた。
自分の仕事が減るに越したことはないし。

「そうですか、失礼しました」

再び一礼して部屋を出た。

次の仕事まで少し時間がある。何をして時間を潰そう、と思案したところで振り向く。

「…何かご用ですか？」

ダルそう、という表情のお手本みたいな顔をしたレオナさまが付いてくる。

「あ？毛玉が目ぇ覚ましたとき、また遊び相手になってられるかよ」

チェカさまのお相手はよほど疲れたらしい。懐かれているのは悪いことではないと思うんだけど。

クスクスと笑えば、呆れたような顔で「笑い事じゃねぇ」と言われる。

何を考えてるかわからないといっても、存外わかりやすい人なのかもしれない。

「これからどうなさるおつもりですか？」

「…温室に行く」

「そうですか。では、わたしはここで」

そう言ってその場を離れようとしたら、レオナさまがどこか怪訝な顔をする。
何か失礼をしたのかと首を傾げると、「いや…」と言葉を濁される。

「何でしょうか、気になります」

すると、軽くため息を吐かれて、あの挑発的な笑顔で見下ろされた。


「お前、俺のご機嫌取りはしなくても良いのか？」

一瞬、言われたことの意味がわからなくて、今度はわたしが怪訝な顔をする羽目になる。

「温室には早朝以外、ほぼ人が居ない。そこに第二王子が行くんだ。ついて行けば絶好のご機嫌取りのチャンスだろ？」


そう言ってきた彼に、なんだかイラッとする。

「…されたいんですか、わたしにご機嫌取り」


失礼にならない程度に嫌味を言えば、さらに笑みを深めるレオナさま。


「言うようになったな」

「ご機嫌取りなんてしませんよ。そんなことしても意味ないですから」

見下ろしてくるエバーグリーンの瞳を見返しながら言うと、彼の耳が少し動いたのがわかった。

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