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部屋に一歩入り、深く頭を下げる。
「はじめまして。A・Aです。
本日から前任に代わって、わたくしが皇后さまの身の回りのお世話をさせていただきます。このお仕事をわたくしのような者にさせていただけることを誇りに思い、」
「あぁ、いいのよ〜そんなに堅苦しくしないで。頭を上げて」
わたしの台詞を遮った皇后陛下の言葉に、下げていた頭を静かに上げ、背筋を正す。
わたしがこれから仕える主人は、美しく、聡明で、強い眼差しをわたしに注いでいた。
「A・A。わたしはあなたを歓迎します。仕事にしっかり励むように！以上！」
うふふ、と美しく微笑む皇后は、一国の片棒を背負っているとは思えないほど茶目っ気たっぷりで可愛らしく、少女のようだった。
こんなに若い側近は雇ったことがないわ、と皇后は朗らかに笑顔を浮かべ、わたしを迎えてくださった。
確かに、皇后の側近は王宮で長く働いている、所謂「ベテラン」の侍女ばかりで、20歳に満たないわたしが側近として働くのは珍しいどころの話じゃない。
それでもわたしが皇后の側近として雇っていただけたのは、母さんの功績があったから。
わたしが城に雇ってもらえると決まった時に知った話だけれど、わたしの母さんは、それはそれは優秀な皇后の側近だったらしい。
「本当にあなた、お母さまにそっくりね。生き写しだわ。
彼女は読み書きは出来なかったけれど、機知に富んだ素敵な女性だった。わたしも、彼女の優しさに何度も助けられたわ。あんなことが無ければ、今頃…」
皇后が眉を下げて、悲しそうな表情をする。
『あんなこと』。
わたしの母さんは、ちょうど半年前、流行り病で亡くなった。
元々、あまり病気に強い体質ではなかったのに加え、無理をする性格もあって、呆気なく死神に連れて行かれてしまった。
当時、わたしは涙で湖ができるのではないかというくらいに泣いたけれど、いつまでもメソメソして居られない、と立ち直り、今に至る。
「過ぎたことを仰っても変わりません。ですが、皇后さまにそう思っていただけるなんて、母もさぞ幸せでしょう。母に代わってお礼申し上げます。ありがとうございます」
頭を下げると、皇后が笑ったのが気配で分かった。
「そうね。切り替えなきゃ。仕事の内容は、わたしの他の側近から聞いて。みんないい子たちだから親切に教えてくれると思うわ。改めて、これからよろしくね」
皇后の言葉に、わたしは再び静かに頭を下げた。
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るり(プロフ) - ネイビーさん» はじめまして〜こちらこそそんなに褒めていただけて光栄です！ありがとうございます^ ^ネイビーさんをギュンギュン(笑)させられるようにわたしも頑張りますね！更新頑張ります！ (2020年6月16日 8時) (
レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
ネイビー - はじめまして！このような素晴らしい作品を書いて下さり、誠にありがとうございます。もう、もう、レオナさんかっこ良すぎて、キュンキュン通り越してギュンギュンでした！これからもずっと応援しています！ (2020年6月16日 1時) (レス) id: a7f9a787f1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 誓雨さん» 誓雨さんありがとうございます〜！とても嬉しいです！そろそろ続編に移ろうかと考えているのでそちらでもよろしくお願いします。頑張りますね〜！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
誓雨(プロフ) - この小説ほんと好きです！レオナさんもカッコいいし夢主ちゃんも可愛いし……いつもキュンキュンしてます！更新頑張ってください！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: fc504e5c9b (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - Aさん» ほ、ほんとだ…わざわざご指摘ありがとうございます！タイトル書き間違えてました…お手数かけてすみません…。頑張りますね！ (2020年6月14日 23時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るり | 作成日時：2020年5月9日 23時
