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お母さまがお仕事をしている間、わたしはお城の大きな図書室で本を読んでいます。
お城の図書室は、本当に本当に広いのです。
一歩部屋の中に入れば、古い紙のにおいと、少しホコリのにおいがします。
長いろうかには、天井まであるのではないかと思うほどに高い本だながあって、そこにはぎっしりと本がつめこまれています。
つめこまれている本が、少しかわいそうに思えてくるくらい、それはもうキツキツに。
まどからはあたたかいお日さまの光が差しこんで、それが本たちを照らしています。
こんなすてきなところで、なぜわたしが本を読むことができるのかというと、お母さまが、おきさきさまにお願いしてくださったのです。
わたしのお母さまは、文字を読むことや書くことができません。
お母さまは、
「美味しい料理を作ったり、人に優しくすることも大事だけれど、もうひとつ大事なことがあるのよ」
とわたしによく言いました。
「賢くなりなさい、A。あなたなら、賢くて強くて、聡明な女性になれる」
そう、わたしに言うお母さまは、いつも通りやさしい笑顔でしたが、なんだかさびしそうに見えました。
本当はわたしもお母さまといっしょにお城でお仕事をしたいのです。
ですが、わたしがそれを言うと、お母さまはくすくすと笑って、
「あなたが…そうねぇ、15歳くらいになったら一緒に働きましょうか」
としか言ってくださらないのです。
15さい！わたしは今9さいですから、あと6年も待たなくてはいけません。
それでも、お母さまはやさしく笑って、
「今は知識と教養を身につけなさい。あなたが強く賢く、美しい女性に育つことがわたしの望みです」
と言うのです。わたしはお母さまのその笑顔を見ると、どうしてか何も言えなくなってしまいます。
ちしきときょうよう。
わたしにはそれが何なのかよく分かりません。
けれども、お母さまがおきさきさまにたくさんお願いをして、お城の大きな図書室をわたしが使えるようにしてくださったことは知っています。
きっととても大変なことだったにちがいありません。
ですから、お母さまがせっかくわたしにくださったものを、わたしはむだにすることはゆるされないのです。
そう思って、毎日、お母さまがお城で働き始める朝から、お母さまが図書室にむかえに来てくださる夕方まで、わたしは大きな図書室で本を読んで1日をすごしていました。
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るり(プロフ) - ネイビーさん» はじめまして〜こちらこそそんなに褒めていただけて光栄です！ありがとうございます^ ^ネイビーさんをギュンギュン(笑)させられるようにわたしも頑張りますね！更新頑張ります！ (2020年6月16日 8時) (
レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
ネイビー - はじめまして！このような素晴らしい作品を書いて下さり、誠にありがとうございます。もう、もう、レオナさんかっこ良すぎて、キュンキュン通り越してギュンギュンでした！これからもずっと応援しています！ (2020年6月16日 1時) (レス) id: a7f9a787f1 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 誓雨さん» 誓雨さんありがとうございます〜！とても嬉しいです！そろそろ続編に移ろうかと考えているのでそちらでもよろしくお願いします。頑張りますね〜！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
誓雨(プロフ) - この小説ほんと好きです！レオナさんもカッコいいし夢主ちゃんも可愛いし……いつもキュンキュンしてます！更新頑張ってください！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: fc504e5c9b (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - Aさん» ほ、ほんとだ…わざわざご指摘ありがとうございます！タイトル書き間違えてました…お手数かけてすみません…。頑張りますね！ (2020年6月14日 23時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るり | 作成日時：2020年5月9日 23時
