王神相搏つーその2 ページ27
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「205…あった。」
部屋は番号順に並んでいるのだから、特に探す必要はなかった。
俺は息を整えて、扉をノックする。
扉の開く音がして、顔を出したのは光さんだった。
「お、なんやA。切原のお迎えか？」
「おはようございます、そうです…」
「ただ迎えに来ただけにしてはえらい疲れとるな……まぁ入り。」
光さんに促されて部屋の中に入ると、中にはベッドを呆れた顔で見ている海堂さんの姿が。
「おはようございます海堂さん。
……赤也先輩寝てますか？」
「ああ、テメェか。こいつ、どうにか出来ないか…？」
指さしたベッドには、枕を頭にかぶった赤也先輩であろう生き物。
うつ伏せて布団を足元に蹴り、頭だけを隠した滑稽なその姿に俺は思わず顔を覆った。
「もうヤダこんな人の補佐だなんて……」
「ちょうどええやん、四天宝寺に来ぃ。」
項垂れる俺の肩をニヤリと笑って光さんが叩く。それもいいかもとアホな事を考えてから、忍足さんからの頼まれ事を思い出す。
「そういえば、日吉さんにも会いに来たんですよ。忍足さんに連れてきてって頼まれて。」
もう食堂に行ったのかな…とキョロキョロしていると、
「日吉なら上だ。」
と海堂さんが言った。
「上？」
そう聞き直して上を見ると、
(ああ、上って二段ベッドの事か。)
二段ベッドの上で、本を読んでいる日吉さんを見つけた。
俺達の会話に気付いた日吉さんが、ひょいと柵から顔を覗かせた。
「…一人増えたか？」
「おはようございます日吉さん。お邪魔してます。」
「ああ、立海の。
切原の迎えか、わざわざご苦労な事だな。」
まだ起きていないのか、と本を持ったまま下のベッドを覗いた日吉さん。
なんの本を読んでいるのかふと気になってその本の題名をちらりと読んで、俺は目を見開いた。
「｢百鬼夜行 古典から学ぶ日本の怪談｣…？」
「ん？この本がどうした？」
俺の目線に気付いた日吉さんが本を見せてくれる。
間違いない、それは俺の大好きな「百鬼夜行 古典から学ぶ日本の怪談」だ。
俺が小学生の時に図書室のすみで辞典や古文書と一緒にホコリを被っているのを見て、それが運命の出会いだった。
もともと古典や和歌や神話が好きだったので、俺はすぐにそれが気に入ったのだ。
図書室に返した後も、ネットで見つけて買ってしまったその俺の聖書を。
日吉さんが持っている！？
「それ！！！俺も！！！好きです！！！」
俺は指を指して叫んだ。
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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» コメントありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2018年4月30日 0時) (
レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ルドルフ組が可愛かったです！ (2018年4月29日 22時) (レス) id: 9521c565b3 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 第一部隊さん» コメントありがとうございます！ルドルフの中だと淳が好きなので、かなり淳との会話が多くなってしまったかなと思います…！お気に召して貰えたならなによりです！ (2018年4月29日 19時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
第一部隊(プロフ) - ルドルフかわいかったです！家族設定面白い！ありがとうございました！ (2018年4月29日 18時) (レス) id: 91bd124fa4 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 暁月さん» ご指摘ありがとうございます！訂正しました！ (2018年4月29日 13時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木こりのコロポ | 作成日時：2018年4月14日 8時
