世話焼きも手を焼くーその2 ページ10
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「おはようございます、仁王先輩。」
「ん?おはよぉAちゃ…ん…」
食堂につくと先輩や他校の人も結構集まってた。
猫のように八重歯を覗かせてあくびをした仁王先輩が、俺を見てぴたっと止まる。
「? どうしました?」
「…髪、触ってもええか?」
「ど、どうぞ…?」
仁王先輩が触ることに許可をとっただと…!?
一体何をするのかと身構えたが、
「お、おお…さらさらじゃ…」
俺の髪がさらさらに見えたから、触りたかっただけか!なるほどそれならどんどん触りたまえ!
「ふっふっふ、そうでしょうそうでしょう!」
「たまらんのう!しかもええ匂いがするぞ!」
「そうでしょ!?観月さんにやってもらいましたからね!!ふふん!」
「今まで触ってきたどんな女の髪より綺麗じゃ…」
「うーんその比べ方はやらしくて嫌いです」
「なんでじゃ!最大級の褒め言葉ナリ!」
「アンタは暗に女の子の髪を触りまくってきましたよと言ってんだよイケメン死ね」
「Aちゃん…!」
俺ってイケメンじゃろ!とドヤ顔をする仁王先輩をほっておいて、立海メンバーの集まるテーブルへ。
「おはようございます、先輩達。今日は俺が手伝いなんで、よろしくお願いしますね!」
「おはようA。あれ、髪すっごい綺麗!
なんだか、屋上の花を思い出す爽やかさだね。」
俺の髪を一束手に取って、にっこり笑った幸村部長。うん、どんなに浮わついたセリフも部長の口から出れば名台詞だ。さすが神の子、仁王先輩とは違う。
取り敢えず座って出席と健康観察を…と真田副部長の隣に座る。その俺の隣にはいつもなら赤也先輩が座っているのに、今日はいない。
「副部長、赤也先輩は…」
「まだ起きてない!!」
「あ、それで柳先輩と柳生先輩もいらっしゃらないんですね。」
「そうだ、たるんどる!」
おお、たるんどる頂きました。真田副部長も朝からご立腹な様子だ。
しかし、今日の俺にはこのさらさらがある!
「今日の俺、なんか違うと思いません?」
「…?」
「頭、撫でてください」
「は、!?」
副部長が動揺してイスがガタガタって鳴る。
俺はお構い無しに頭を差し出した。
戸惑いながら副部長が俺の頭に手を乗せる。
その逞しい大きな手が、不器用に撫でられる。
それから、副部長が目を見開く。
「絶妙な手触りだな…」
「えへへ、そうでしょ。」
気に入ったのか、副部長は指に絡めてまじまじと見つめていた。 →
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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» おかえりなさい!今夜はいっぱい更新するつもりなので、是非旅行疲れの一服にでもどうぞ! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - 修学旅行から無事帰れました!沢山更新ありがとうございます! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 1e0ae13ebb (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - ●RECさん» にふぇーどー!そうです新学期です…!忙しくなると更新速度が落ちるかも知れません、申し訳ない…! (2018年4月11日 7時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
●REC(プロフ) - 比嘉中でーじさいこうさぁー 新学期?新生活?頑張ってくださいね! (2018年4月11日 0時) (レス) id: df969a8ec2 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ありがとうございます! 楽しみにしています! (2018年4月10日 13時) (レス) id: 4bd1cfe4c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木こりのコロポ | 作成日時:2018年4月6日 21時