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そして真夏に飛び込むーその31 ページ7





曲がおわる。ピアスさんが携帯をとり、弄り始めて、俺は思い切って話しかけた。


「っあの!」


「ありがと。」


「えっ、と?」


ピアスさんは携帯を弄る手を止めて、こちらを見て微笑む。


「俺の歌、歌ってくれて。」


歌…そうだよな、二人で歌った…ぜんざいPの歌…
俺の歌…俺の…?ピアスさんの歌…!?


「ぜっっっぜんざいP!?!?」


「はーいそうですぜんざいPやでー。」


「えっえっえ、え!?」


目の前のピアスさんが、ぜんざいP!?
俺は驚きで手を右往左往させる。


「あっあのっあのっ俺すごいファンでっ、さっきの歌もすごい気持ちによりよっているって言うかっそのっ」


「おん。」


「女の子の声でわざと低音を歌わせたり男の子の声でわざと高音出したりする所とかっ、歌詞の中のツンデレとかっ、」


ぜんざいPは無表情で俺の話を聞いてる。その目がなんだか優しげで、俺は一旦息を吸う。


「全部、好きなんです。」


「おん。」


「あ、あの…握手、してください。」


俺はおずおずと手を差し出した。体からよく分からない汗が出てるし、声は震えまくってる。

深く頭を下げたままちらりとぜんざいPを見やると、うーんと小さく唸ってから、


「そやな…お前の名前教えてくれたらしてやってもええで、握手。」


「あああ俺っ、加賀Aと言いますっ!」


「A。」


「ひぃっなんですか!?」


いつも画面の向こうだった声が、ここにいて俺の名前を呼んでる。それだけで泣きそうだ…
そんな俺に小さく笑いながら、ぜんざいPは手を出しながら言った。

「俺は財前光。俺、今日からAのファンやねん。
…握手、してもろてもええですか。」


「あっ、そんな、えっありがとうございます!!喜んで!!」


「はっ、焦りすぎやろ」


そうして重なる手。俺、今ぜんざいPと握手してる…!思わずにやける俺を見ながら、ぜんざいPもとい財前さんは俺の手をきゅっと握った。


「…声が聞こえてきた時、ホンマに奇跡かと思った。俺の考えてた、理想の声やった。
今までいろんなボカロで試したけどな、何やってもだめやってん。
…そこで歌っとるA見てな、」


そこで一息ついて、財前さんは俺を見た。その吸い込まれそうな緑に俺の全ての動きが止まった気がした。
財前さんが目を細めると、その宝石の様な緑が月明かりに反射してキラキラする。


「天使かと思った。」


ちょっとキザやな、って言って財前さんは笑う。

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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» おかえりなさい!今夜はいっぱい更新するつもりなので、是非旅行疲れの一服にでもどうぞ! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - 修学旅行から無事帰れました!沢山更新ありがとうございます! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 1e0ae13ebb (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - ●RECさん» にふぇーどー!そうです新学期です…!忙しくなると更新速度が落ちるかも知れません、申し訳ない…! (2018年4月11日 7時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
●REC(プロフ) - 比嘉中でーじさいこうさぁー 新学期?新生活?頑張ってくださいね! (2018年4月11日 0時) (レス) id: df969a8ec2 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ありがとうございます! 楽しみにしています! (2018年4月10日 13時) (レス) id: 4bd1cfe4c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木こりのコロポ | 作成日時:2018年4月6日 21時

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