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窮鼠なれど王を噛めーその7 ページ50





「天海さん…っ、」


そう呟いて木手さんの方を見れば、同じように苦い顔をした木手さんと目が合う。多分、同じことを考えているんだろう。それに気付いた木手さんも、俺から目線を外して宍戸さんと向日さんの方を向いて立ち上がる。


「待ちなさいよ、少し話をさせて下さい。それで、今彼女はどこにいるんですか?」


それが言い終わらないうちにまた扉が音を立てて開いて、入ってきたのは跡部様だった。


「弁解の余地はねぇ」


怒りをふくんだその声が食堂に響く。
それに、と荒々しくため息をついて跡部様は言葉を続けた。


「テメーらが今までどんなテニスをやって来たかこっちは知ってるんだ、やったも同然じゃねーか。」


そう言って跡部様が比嘉中の皆を睨めば同じく甲斐さん達も睨み返す。緊迫した空気が広がって、こっちの息まで詰まりそうだ。


「人の話の一つも聞けないとは、王が聞いて呆れますね。」


「なんとでも言いやがれ。お前らの罪は変わらねぇぞ。」


木手さん達が、そんな事するわけない。そう思いつつもそれを証明出来るものがここにはない事が分かっていた。
証明出来るものがあるとしたら、恐らくここにはいない天海さん。彼女が何かを掴んでいるはず。


跡部様は冷たい声で吐き捨てる。


「比嘉中には帰ってもらう」


それを聞いた木手さんも眼鏡を押し上げて鼻で笑う。


「当たり前です。これ以上ここで練習を続けるなどこちらから願いさげだ。」


「っ、待ってください!」


俺は思わず椅子を引いて立ち上がった。全員の視線が一斉にこちらを向いて、震える手をぐっと握りしめる。


「証明はあるんですか!?」


「オイA、なんでそんなやつ庇うんだ!?」


「そいつらの態度見てみろよ、認めたみたいなもんだろ!?」


宍戸さんと向日さんの声が飛んで、ビクリと肩が上がる。でも、ここで俺が何か言わなかったら本当に木手さん達が帰ってしまう。そう思ってぐっと唇を噛んで言葉を続ける。


「でも、今の話だけじゃ決めつけるには不十分じゃないですか…っ、何か、証明があれば……っ」


証明なんて無い。その事実に、俺の声はどんどん尻すぼみになっていき、そのまま俯いた俺に、おい、と声がかけられる。


「何が言いたいんだお前は?言いたいことがあるならもっとはっきり話せ。」


「っ、」


冷たい、跡部様の目がこちらを向いている。次に放ったその言葉に、俺の心臓がきゅっと音を立てた気がした。


「聞こえねぇ」

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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» おかえりなさい!今夜はいっぱい更新するつもりなので、是非旅行疲れの一服にでもどうぞ! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - 修学旅行から無事帰れました!沢山更新ありがとうございます! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 1e0ae13ebb (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - ●RECさん» にふぇーどー!そうです新学期です…!忙しくなると更新速度が落ちるかも知れません、申し訳ない…! (2018年4月11日 7時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
●REC(プロフ) - 比嘉中でーじさいこうさぁー 新学期?新生活?頑張ってくださいね! (2018年4月11日 0時) (レス) id: df969a8ec2 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ありがとうございます! 楽しみにしています! (2018年4月10日 13時) (レス) id: 4bd1cfe4c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木こりのコロポ | 作成日時:2018年4月6日 21時

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