【テニプリ】聞く耳もたらすーその3【男主】

窮鼠なれど王を噛めーその4 ページ47

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「あー不二先輩、あんまりA構うと越前がやきもち焼くから程々にした方がいいっスよ」


ベンチに座る俺たちを見て、タオルをとったモモさんが笑った。


「大丈夫だよ、越前は今海堂とヒートアップしてるから。」


ほら、と不二さんが指さした方には打ち合いから本気の試合に変わりつつある越前と海堂さん。あー今休憩時間なのに…と見てると、モモさんが二人のドリンクを手に取る。


「あれ始まると長いし、止めるついでにドリンク渡さねぇとな。」


「すみません、俺の仕事なのに…お願いします」


俺が頭を下げると、モモさんはいいって！と言って走っていった。
それを見届けると、不二さんがさて、と言ってこちらを向く。

「何話そっか？」


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なんとなく思っていた事だけど、話してみるともっとそう思った。
不二さんってなんだか幸村部長に似てる。
物腰柔らかい感じとか、爽やかな佇まいとか、テニスに挑む姿勢はかなり違うみたいだけど、写真を撮るのが好きってのも、部長の絵を描くのが好きってのと似てる。
あときっと二人並んだら絵になると思う。


「後はまぁ…あ、僕サボテンを育ててるんだ。この前、小さいのが花を咲かせてね。」


「へぇ、凄いですね！サボテンは育てるのが難しいって聞きますけど。」


「そうだなぁ、でも手がかかる子程可愛く見える物だからね。水を上げるだけじゃなくて、話しかけたりしながら可愛がって育てれば植物だって答えてくれるよ。」


「あぁ、それ幸村部長も同じこと言ってました…！！やっぱり、二人って似てますよ…」


「ふふ、幸村に？それは光栄だな。そういえば、幸村も植物が好きって言ってたな…ここにも花壇があったから後で教えとこうかな。」


「あれ、仲良いんですか？」


「いや、今部屋が一緒だからちょっと話したんだ。」


へぇ、部屋が一緒なのか。…ん？
そこで俺は首を傾げた。だって幸村部長は柳先輩と真田副部長と同室だった気がする。


「昨日決まったんだよ、海堂と切原と日吉と財前を同室にしようってね。」


「……どういう繋がり…？」


「次期部長の四人だよ。それで、僕と幸村と白石が同室になったんだ。」


「へぇ……」


赤也先輩、大丈夫だろうか。そのメンバーの中では一番赤也先輩がちゃんとしてないというか…迷惑かけそうで怖い。


というより部長と不二さんと白石さんって。
なんだその顔面偏差値選りすぐり部屋…凡人が入ったら消滅しそう。

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