【テニプリ】聞く耳もたらすーその3【男主】

世話焼きも手を焼くーその33 ページ41

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「しつこく話しかけられて、それがこんな時間にも及ぶ物ですから…すこし、注意をね。」


「あれが木手さんの少しなんですね、天海さん怒鳴ってましたけど。」


「まぁたまに部員にも加減を覚えろと言われますよ、たまに。」


「木手さんのすこしもたまにも信じられませんね。」


なんだか結局仲良くなった木手さんとお話しながら廊下を歩く。

天海さんの事については、
平古場さんからも聞いた通り天海さんと甲斐さんが話をやめなかった事もあるが、練習が終わってからも異様に話しかけてくるのが気に入らなくて突っぱねたのに全然堪えないのが無性にイラついて揚げ足取りまくったらああなったらしい。
全然本気で討論してるじゃないですか木手さん。


「ま、本当にイラついているのはこの扉の向こうにいるうちのダメ部員についてですけれどね。」


部屋の前に立ち止まって木手さんが勢いよく扉を開ければ、そこにはこちらに向かって土下座をしている甲斐さんとそれを取り囲む部員の三人がいて、俺は目を丸くした。


「……今から死刑でも始まるんですか？」


俺が木手さんに聞けば、その声に気づいた甲斐さんがぱっと顔を上げて俺を指さして嬉しそうに言った。


「あっ！ネズミーランドのガイドさんさー！」


その声に今度は木手さんが俺の方をみてちょっと声色を上げた。


「えっそうなんですか！？貴方そういうことは先にっ、」


「いえ違います！！！断じて！！！」


なんか勘違いされたので全力で否定したら木手さんは「………失礼、浮き足立ちました｣と言って眼鏡を掛け直した。


「今ので余計に殺したくなりましたね。さぁ甲斐君、謝罪と言い訳を聞きましょうか？場合によっては八つ裂き……」


「わ、わっさいびーん！！！」


木手さんの言葉を聞いて甲斐さんが慌てて土下座し直す。まぁ木手さん見た目が完全にヤのつくあっち側の人だから怖いよね。
そう思いつつ座っている平古場さんの所へ。


「ここはいつもこういう感じなんですか？」


「あーほぼ毎日。今日はかなり永四郎もキレてるけどなー。」


平古場さんの話を聞きながら、木手さんの説教にぐったりしてる甲斐さんを見る。
…初めて話した時の様子からなんとなく分かるけど、甲斐さんはきっと人懐っこい人だ。
恐らく挨拶で済ますつもりが長話になってしまったのだろう。と言うより、そこに天海さんが漬け込んだというか。


知らないうちに、俺はだんだん天海さんを敵視し始めていた。

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