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世話焼きも手を焼くーその29 ページ37





俺はそこで仁王先輩の顔を思い出す。
口元を歪めて、目を細めるあの顔。


「…でも、その顔の方が似合いますよ先輩には。」


そう思ったから、ぽつりと声に出した。


「な、なんじゃいきなり…」


「天海さんに向けてた笑顔、なんか凄い嫌だったんで。」


俺がそう言うと仁王先輩はちょっと目を見開いてこっちを見た。


「…あんな貼り付けたような優しい笑顔、気持ち悪くて鳥肌立ちます。」


「くっ、それは言いすぎじゃろ。」


おお怖いと俺が腕をさすれば、仁王先輩にちょっと笑われた。
それから先輩は顎に手を当てて、何か考えるように宙を見てそうかそうか…と呟いたと思ったらニヤリと笑った。


「そういえば、なんで俺が天海夢乃と話しとった時に遮ったんじゃ。あの時耳澄ませとけばなんか聞けたんじゃないんか?」


「えっ、と…」


いや、俺にもそれはよくわからないからなんて答えていいか分からない。
仁王先輩に隠し事とかしない方がいいと思うし、あの時思った通りに言った方がいいか。


「自分でもよく分からないけど、なんか……嫌だったんですよね。仁王先輩と天海さんが話してるのが。」


「え、」


俺の言葉を聞いて仁王先輩が動きを止める。


「二人が楽しそうにしてるのを見たら、なんかもう俺飛び出してて。
よく考えたら変ですよねー、あのまま静かにしててもよかったのに…なんでだろう…
仁王先輩、こういうのなんて言うんでしょうね?」


「……Aちゃん、」


「? なんですか?」


いきなり立ち上がった仁王先輩に片手を掴まれた。


「…それは、期待してもええってことか。」


「は?何を言っ、…て…」


なんの冗談だと言おうと先輩の目を見て、そのあまりの真剣さに驚いた。
俺の何が先輩のスイッチを入れたのか分からないが、仁王先輩はそのまま座る俺の首元に顔を擦り寄せた。


「ちょ、仁王せんぱ、」


「その気持ちがなんか、教えてやろうか。」


首元から低い声がする。当たる柔らかい銀髪がくすぐったくて、俺は体をよじった。




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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» おかえりなさい!今夜はいっぱい更新するつもりなので、是非旅行疲れの一服にでもどうぞ! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - 修学旅行から無事帰れました!沢山更新ありがとうございます! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 1e0ae13ebb (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - ●RECさん» にふぇーどー!そうです新学期です…!忙しくなると更新速度が落ちるかも知れません、申し訳ない…! (2018年4月11日 7時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
●REC(プロフ) - 比嘉中でーじさいこうさぁー 新学期?新生活?頑張ってくださいね! (2018年4月11日 0時) (レス) id: df969a8ec2 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ありがとうございます! 楽しみにしています! (2018年4月10日 13時) (レス) id: 4bd1cfe4c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木こりのコロポ | 作成日時:2018年4月6日 21時

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