【テニプリ】聞く耳もたらすーその3【男主】

世話焼きも手を焼くーその21 ページ29

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「うわっぷ」


「あ、すまん」


食堂前の廊下でぼーっと歩いていたら、平古場さんと軽くぶつかった。


「すみません平古場さん……」


「おー、A。なんかぼーっとしてね？」


「いや…色々ありまして…」


「ふぅん…お互い様さ…」


俺が遠い目をすれば平古場さんも遠い目をする。


「なんかあったんですか？」


「あー…マネージャーの事でよ…」


「マネージャー！？」


その言葉に弾かれたように反応する。そうだ、比嘉の担当は天海さんだ。何か話しが聞けるかもしれない。


「な、なんだよ急に…お前の事じゃないんど…？」


「いえ、分かってます、どうぞ話して！」


「お、おう…今日の担当の奴がな…仕事はやってくれんだけど裕次郎の奴が練習中そいつと話すのやめなくってよ…永四郎がカンカンなんさ…」


また、話か。


どうも引っかかるよな。話してるだけじゃ罪に問われないもんな。
…いや、平古場さんの話では完全に甲斐さんが悪いけど。


「永四郎っていうのは、部長さんの事ですよね？」


「そうさー、もうカンカンよー…」


項垂れた平古場さんは、人差し指を頭に当て、鬼さんのポーズ。


「そうですか、カンカンですか…」


そう言って俺も鬼さんのポーズを真似すれば、平古場さんはニヤッと笑う。


「お、Aカンカンのポーズ似合っとるばー」


「え、カンカンのポーズが似合うのってどうなんですかね…」


と、言いつつも二人でカンカンと言ってたら普通に楽しくなってきて、テンションの高いまま食堂へ入ってった。







「おーきたきた、平古場ーって、何しとるんば…」


比嘉中のジャージを着た体の大っきい人が俺達を訝しげな目で見てるので、俺と平古場さんはドヤ顔でポーズを決める。


「｢カンカンのポーズさー！｣です！」


「お、おう…で、隣は誰さー…？」


「マネージャーの加賀Aです！」


「A、アイツは田仁志慧さー」


「田仁志さん！よろしくお願いします！田仁志さんもカンカンしますか！？」


「なーしむさ……」


取り敢えず俺達が怒っていると勘違いされて「飴ぐわぁーやんどー…」と飴を頂いた。






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