【テニプリ】聞く耳もたらすーその3【男主】

世話焼きも手を焼くーその16 ページ24

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「あれ、皆さんお揃いですか？」


「A君！」


俺が二階の休憩所に行くと、そこにはマネージャーの皆が集まっていた。

最初に俺に気づいた杏ちゃんが俺を手招きすれば、みんなも俺に気づいて口々に挨拶する。


「皆休憩中？」


「まーね。通常練習が終わってドリンク作り終わっちゃったら、結構皆自由にやり始めるからする事なくって。」


確かにね、と相槌をうって俺は下に見えるコートを見る。


ここの休憩所は食堂と似た作りで、ガラス張りの壁からは多くのコートが見渡せるようになっている。


「A君、さっき越前君と試合をしていましたね。」


「観月さん、見てたんですね。」


「立海のコートは丁度正面ですからね。んふっ、中々いい動きをするんですね。データが欲しくなりましたよ。」


「データ厨は柳先輩だけで間に合ってますので……」


「は！？Aアンタリョーマ様を負かしたの！？やるじゃない！」


「と、朋ちゃん痛え！！小突くな！」


「あわわわごめんねA君！やめなよ朋ちゃん…！」


一年組でLINEして仲良くなった朋ちゃんは力が結構強い。褒められてるのは嬉しいけど、試合やったばかりの俺をいたわってくれ…

そこに桜乃ちゃんが止めに入ってわちゃわちゃしてると杏ちゃんが若いっていいわねぇ…なんて言ってた。


「あれ、そういえば…太一君と天海さんは？」


「檀君は今保健係でテントにいるわ。天海さんは……」


杏ちゃんが言いにくそうに止まって、観月さんは苦笑い。
桜乃ちゃんはびくっとして朋ちゃんはぷんすか怒り始めた。



「……ん？」



何だこの空気。


「ちょっと、色々あったみたいでね…」


おっと。俺の知らないところで氷帝のお嬢様は何かやらかしたのか。
薄々何かありそうな感じはしたが、二日目で正体を表すとは。なんて、天海さんには失礼だがあのお嬢様が悪者っぽくなるのはマンガっぽくてわくわくしてる。


「もー信じらんないのよあの女！！聞いてA！！」


「何があったのさ朋ちゃん」


「桜乃がね！！朝仕事押し付けられたんだって！」




…おう。本当にマンガのような展開が待っていそうな予感だ。

俺はニヤける口を隠しながらその続きを聞く。


「朋ちゃん、詳しく教えて。」



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