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世話焼きも手を焼くーその11 ページ19




「俺の呪い、ですか」


「そうだ。精市との試合で見せたあれだ。」


そう言った柳先輩に、俺は首を傾げた。
だってあの時呪いにかかっていたのは俺の方だし。


「俺部長みたいな真似出来ませんよ?」


「そこまでやれとは言っていない。……あの時、最後の1ポイントをお前がどうやって取ったか覚えているか?」


「いえ、覚えてないですね…というより見えなかったので。」


「ああ、そうか。お前があの時あまりにも普通にテニスをするものだからそれを忘れていたな…あの時、精市は一瞬だがお前が「聞こえている」事に怯えたんだ。その怯えが、最後の1ポイントを呼んだ訳だが。」


「確かに、凡人の動きしてた俺がイップスにかかっている筈なのにちゃんと動いてしかも独り言に反応したからすごい怖かったーって言ってましたね。」


「そうだな。俺も普通に恐怖を覚えた。
精市にはあの時、「お前はイップスにかかっていて、五感を奪われた状態にある」事、つまり「自分の勝利」をほぼ確信していた。」


そして柳先輩は越前君をちらりと見る。
ああ、なるほど。大体柳先輩のやりたい事が理解出来始めた。


「彼…越前リョーマもその類だろう。
お前の聞き耳を使わない凡人テニスを見せられれば、油断するだろうしわざと手を抜くわけでもないので裏も悟られることは無い。」


「凡人て」


「そうだな、目安は1セットがいい。それまで聞き耳は温存しておけ。」


「えっと、1セットボロ負けしてから耳使って越前君をビビらすと。
…そんなに上手く行きますかね…」


「どうだろうな。しかし奴は日本に来てから負けたことはほぼ無い。試合の経験も少ない。
試合を繰り返し精神的に成長している訳では無い今しかこの作戦は使えないだろう。」


「…次は無いと。同い年でこれから公式戦で当たる事もあるだろう俺に対して、次は無いと、そう言ってるんですか柳先輩…!」


「はは、お前は聞き分けがいいな。
越前リョーマがまだ経験が浅いままに戦うことが出来てよかったな。」


鬼かアンタは。
そうですか…と睨むとそんな俺を見て柳先輩は目をパチリと開きまぁ、と言葉を続ける。



「いずれにせよ、俺が見ている前で負けはいけないな。」


「……わかって、ます。」



その言葉の重みは、知っているつもりだ。

俺は震えた手を無視して、ラケットをぎゅっと握った。


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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» おかえりなさい!今夜はいっぱい更新するつもりなので、是非旅行疲れの一服にでもどうぞ! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - 修学旅行から無事帰れました!沢山更新ありがとうございます! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 1e0ae13ebb (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - ●RECさん» にふぇーどー!そうです新学期です…!忙しくなると更新速度が落ちるかも知れません、申し訳ない…! (2018年4月11日 7時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
●REC(プロフ) - 比嘉中でーじさいこうさぁー 新学期?新生活?頑張ってくださいね! (2018年4月11日 0時) (レス) id: df969a8ec2 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ありがとうございます! 楽しみにしています! (2018年4月10日 13時) (レス) id: 4bd1cfe4c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木こりのコロポ | 作成日時:2018年4月6日 21時

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