世話焼きも手を焼くーその7 ページ15
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振り返ると、そこには青いジャージの子が立っていた。
えーとこのジャージは青学さんかな?
「はい、なんでしょう?」
「アンタでしょ?噂の立海の補佐って。」
「え…そうですけどそうじゃないです…」
なんだよ噂のって。俺噂になったつもりないよ。
「何それ。でも立海のレギュラーってことであってる?」
「あーはい、まぁ一応。」
「だよね。一年でレギュラーなんだよね…」
「?」
その子は何か考えるように一度地面に視線を落としてから、帽子を被り直して俺を見るとニヤリと笑った。
「ねぇ、俺と試合しようよ。」
「えっっ、」
俺はビクッとしてその子を見た。
いや、確かに俺はレギュラーだけど特別枠なんだ。この合宿に来てる限りその子もレギュラーだろうけど、それとはわけが違う。
…正直、お断りしたい。
「いや、あの…俺は今マネージャーでして…」
「なに。マネージャーだと試合できないの?」
「そうじゃないんですけどね……
…分かりました。じゃあ部長がいいって言ったら試合します。」
部長が駄目って言ったら試合しませんからね!?!?
四天宝寺の皆さんにちょっといってきます、と言って立海のコートへ足を運ぶ。コートでは丁度幸村部長と柳先輩が休憩している所だった。
「そういえば君、名前は?」
「越前リョーマ。」
「越前君…一年?」
「そうだけど。」
「へぇ、一年生で正規レギュラーなんだ。すごいね。」
「は?アンタもレギュラーでしょ。何言ってんの。」
「…そ、そですね…はは…」
越前君めっちゃ怖い。すごい尖ってる。さっきの殺すような勢いで先輩にじゃれついてた金ちゃんを見習って欲しい。
俺のやる気ゲージがどんどん下がっていく。
「ゆ、幸村部長…」
「ん?どしたの?」
「そ、それがですね…」
俺が言い淀んでいると、越前君がぐっと前に出る。
「俺、この人と試合したいんスけど。」
「Aと?」
「…そうなんです、だから許可を貰おうと思って。」
さぁ部長、ダメだと言ってくれ。なんか俺の気分が乗らないから駄目とか、なんでもいいから神の子の気まぐれを発動させてくれ…!!
「試合?いいよ!」
「っしゃ。」
「ああ…」
越前君が小さくガッツポーズをした。
蹲る俺の肩を叩いて、部長はよかったね!とか言ってる。よくないんです…!!
「じゃ、よろしく。Aサン。」
越前君に手を差し出されて、俺は観念してその手を握り返した。
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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» おかえりなさい!今夜はいっぱい更新するつもりなので、是非旅行疲れの一服にでもどうぞ! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - 修学旅行から無事帰れました!沢山更新ありがとうございます! (2018年4月13日 21時) (レス) id: 1e0ae13ebb (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - ●RECさん» にふぇーどー!そうです新学期です…!忙しくなると更新速度が落ちるかも知れません、申し訳ない…! (2018年4月11日 7時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
●REC(プロフ) - 比嘉中でーじさいこうさぁー 新学期?新生活?頑張ってくださいね! (2018年4月11日 0時) (レス) id: df969a8ec2 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ありがとうございます! 楽しみにしています! (2018年4月10日 13時) (レス) id: 4bd1cfe4c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木こりのコロポ | 作成日時:2018年4月6日 21時