＊ ページ4
〈レイナside〉
「今宵の生け贄じゃな」
地の底から響くようなその声に、僕は唖然としながら頭上を見上げた。
長く垂れ下がった髭と髪。
木のうろのように黒い目。
頭から伸びる三本の角。
紛れもなく······“鬼”だ。
入出君と逢河さんが危ない。
「·········チェンジ·········」
·········なん···だと······
違う意味で唖然とした。
チェンジってなんですかチェンジって。
「貴様らはちっともボンッキュッボンではない···。
キュッキュッキュッのマッチ棒じゃ···」
つまみ上げた入出君をグサグサつつく鬼。
待って血！ 血が出てる！
「入出は実際アレ···脱いだらその···えと
······アレですよ···」
((((どれだよ))))
「無理すんな」
駆堂君のツッコミ、ごもっとも。
もういいよ入出君。
しかしどうやら鬼は大真面目だったらしい。
「御託はよい。女を出せ」
そして入出君を持つ手に力を込めていく。
「入出君！」
駆堂君が鉄パイプを投げる。
少しだけ、ピクリと動き、鬼はこちらを見下ろした。
「テメーいい加減にしやがれ!!」
そんな抗議を歯牙にも掛けず。
鬼はおぞましい声を放つ。
「······そこにおったか。どれにするんじゃ? キッカよ」
キッカ！?
バッと後ろを向けば。
「更屋敷さんッ!!」
更屋敷さんがキッカさんに。もう一人の鬼に包丁を突きつけられていた。
違和感はあったのに······。
「これ!! これがいいわ!! おじいちゃん。
一番柔らかそうだもの」
おじいちゃん。やっぱり、そうなんだ。
あれは······
「おじい···こいつあのヒゲジジイか···?」
「ええ。あの特徴的な三つ編みといいひげの形といい······
間違いないでしょう。長老さんです」
ぷるぷる震えながら喋っていた姿からは想像もつかないビフォーアフターだけど。
キッカさんとの会話を見ても、十中八九確定だ。
「よしよし。じゃあそれにしよう」
キッカさんを撫でている姿だけを見れば、
ただの、孫娘思いのおじいさんなのに。
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花藺 - 霧神廉さん» ひ、久々に覗いたらこ、コメントが・・・。本当にごめんなさい。そしてありがとうございます。待っててくださいね！頑張ります！ (2018年3月21日 22時) (
レス) id: 78c6e1698f (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - 更新停止は寂しいですが、僕はいつまでも待ってます！ (2018年3月10日 22時) (レス) id: cff83fd718 (このIDを非表示/違反報告)
花藺 - 霧神廉さん» 嗚呼、なんてありがたいお言葉・・・っ！頑張ってきてよかった・・・。これからも頑張ります！o(｀^´*) (2018年2月14日 20時) (レス) id: 60a7600913 (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - 面白いです。更新頑張って下さい！ (2018年2月14日 20時) (レス) id: 957f042b23 (このIDを非表示/違反報告)
花藺 - 名無しの猫さん» あああありがとうございますぅぅぅ！これからも更新頑張ります！応援よろしくお願いいたします！ (2018年2月12日 13時) (レス) id: 60a7600913 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花藺 | 作成日時：2018年1月12日 22時
