＊ ページ23
一方。
「悪くないじゃない、これ」
「ありがたきお言葉にございます」
ドールハウスの中。
レオ。いや、セバスチャンは未だキッカのわがままに付き合っている。
なんとかご機嫌取りは功を奏しているが、やはり文句も多い。
正直堪忍袋の緒などとっくに切れているのだが、
そこは持ち前の理性をかき集めかき集め······。
とにかく理不尽にかれこれ数十分耐え続けていた。
「セバスチャン、ダージリンを頂戴。今すぐ！」
「かしこまりました」
すぐにティーセットを用意する彼を横目に、キッカは考える。
そろそろ地下牢に入れにいこうか、と。
そしてレオは考える。
もう、更屋敷さんと入出君は助かったでしょうか、と。
―――
――――――
――――――――――――
屋敷内で、三人が最初に集まったその場所。
そこには、ただただ掌にあるそれを見つめ続けるザクロが立っている。
「おう、どうだった」
横合いから声がかかってザクロはビク、と震えた。
声の主はもちろんのことカイコクで、
彼の余りにも余裕のない瞳を見て異常を感じた。
「···妹が」
声は力なく震えて、手も動きが定まらないで。
なにかに憑かれでもしたように、ただその事実を口に出す。
「ここに、妹がいた」
それは、彼が求めたものであるはずなのに。
ただ無事を祈って追ってきた、彼女の名前が刻まれているものなのに。
なぜか彼は、それが酷く恐ろしかった。
それが彼女の無事を、否定しているようで―――。
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花藺 - 霧神廉さん» ひ、久々に覗いたらこ、コメントが・・・。本当にごめんなさい。そしてありがとうございます。待っててくださいね！頑張ります！ (2018年3月21日 22時) (
レス) id: 78c6e1698f (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - 更新停止は寂しいですが、僕はいつまでも待ってます！ (2018年3月10日 22時) (レス) id: cff83fd718 (このIDを非表示/違反報告)
花藺 - 霧神廉さん» 嗚呼、なんてありがたいお言葉・・・っ！頑張ってきてよかった・・・。これからも頑張ります！o(｀^´*) (2018年2月14日 20時) (レス) id: 60a7600913 (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - 面白いです。更新頑張って下さい！ (2018年2月14日 20時) (レス) id: 957f042b23 (このIDを非表示/違反報告)
花藺 - 名無しの猫さん» あああありがとうございますぅぅぅ！これからも更新頑張ります！応援よろしくお願いいたします！ (2018年2月12日 13時) (レス) id: 60a7600913 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花藺 | 作成日時：2018年1月12日 22時
