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影のあったはずの場所には目もくれず、パカは
投げ出されたアカツキの側にしゃがみこんだ。
そして、優しく。顔についた汚れをハンカチで拭き取る。
パカはそのハンカチで目元を隠した。
依然汚れた口元が小さく動く。

「···ありがとう···ございます···」
「おや気づかれていましたか」

発信機がついたままのアカツキのカードをアカツキの胸にそっと置き、
力の抜けきった彼の両腕をそっとそこに重ねた。

「じきに鬼ヶ崎様たちが来ます。引き続きご健闘をお祈りします」

そう言い立ち去ろうとするパカ。
アカツキはかすれた声を喉の奥から絞り出して呼び止める。
顔をパカの背中に向けて、かすれた声で呼びかける。

「·········パカさん。
 俺たち、友達になれませんか···?」

ピタリと立ち止まったパカだが、声は少しも発さない。

「パカさん、ずっとここにひとりでいたんですか···?
 さみしくなかったですか···。
 俺、俺ねぇ···脱出ゲーム得意なんですよ。
 一緒に、ここから出ましょう···」

言葉とともに、あらんかぎり伸ばされた左手を。

「···できません」

パカは拒絶する。

「······どうして?」

その問いを振り切るように、足音は遠ざかっていった。

「できません。約束なのです」
「···どうして···」
 
 
 
振り絞った声は、小さな雫と混ざりあって床へと落ちる。
 
 
 

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花藺 - 霧神廉さん» ひ、久々に覗いたらこ、コメントが・・・。本当にごめんなさい。そしてありがとうございます。待っててくださいね!頑張ります! (2018年3月21日 22時) (レス) id: 78c6e1698f (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - 更新停止は寂しいですが、僕はいつまでも待ってます! (2018年3月10日 22時) (レス) id: cff83fd718 (このIDを非表示/違反報告)
花藺 - 霧神廉さん» 嗚呼、なんてありがたいお言葉・・・っ!頑張ってきてよかった・・・。これからも頑張ります!o(`^´*) (2018年2月14日 20時) (レス) id: 60a7600913 (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - 面白いです。更新頑張って下さい! (2018年2月14日 20時) (レス) id: 957f042b23 (このIDを非表示/違反報告)
花藺 - 名無しの猫さん» あああありがとうございますぅぅぅ!これからも更新頑張ります!応援よろしくお願いいたします! (2018年2月12日 13時) (レス) id: 60a7600913 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花藺 | 作成日時:2018年1月12日 22時

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