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ところ変わって。
アカツキがやって来る少し前、攫われたカリンとレオはキッカの前にいた。
アールグレイの紅茶が、(ほの)かに香る。

「ふーん、悪くないわね」
「お褒めに預り光栄でございます」

レオが優雅に腰を折った。相も変わらず、カリンは腕を組んで顔をしかめている。

「ヴェロニカ! 態度が悪いわよ!!」

プンスカと怒り出したキッカにやはりカリンは歯向かった。

「あんたの思い通りなんかになるわけっ」

隣に立っていたレオの手が彼女の口を塞ぐ。
そして改めて深々と礼をした。

「申し訳ございません、お嬢様。このセバスチャンめに免じてお許しください」

レオは、必死だった。
キッカの。主人の機嫌を損ねてはいけないと、そう考えた。
そっと、頭を下げたままキッカの反応を窺う。

「······フン。仕方ないわね。
 ヴェロニカ、あなたもういいわ。地下牢に行きなさい」

申し渡されたものはまだ軽く、レオは気づかれぬように嘆息を漏らした。
ムッとしているカリンに、レオは向き直った。

「ヴェロニカ、お嬢様のご命令です。すぐに行きなさい」

いきなりぞんざいな物言いになったレオをカリンは不安げに見る。
そして彼女は気がついた。
大丈夫ですから。と言いたげな目でこちらを見ていることに。
同時に、心配そうにしていることに。

「はい。レオさん」

大人しく従った。
彼をセバスチャンと呼ばないのは、彼女なりのせめてもの抵抗か。
彼は、苦笑を浮かべる。

「ヴェロニカ、地下牢の場所わからないでしょ。来なさい。
 セバスチャン」
「はい」
「おいしいフルコース、期待してるわよ?」

嘲るような表情で振り向いたキッカに、彼は······。

「かしこまりました。お嬢様」

もう一度、ぺこりと頭を下げるのだ。
それしか能のない、人形のように。
 
 

☆★☆★☆
えっ、嘘待って。
ランキングがついてる···だと···?
ありがとうございます!
え、どうしよう嬉しすぎて昇天できそう···
本当に、本当に···ありがとうございます!
 
 
 

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花藺 - 霧神廉さん» ひ、久々に覗いたらこ、コメントが・・・。本当にごめんなさい。そしてありがとうございます。待っててくださいね!頑張ります! (2018年3月21日 22時) (レス) id: 78c6e1698f (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - 更新停止は寂しいですが、僕はいつまでも待ってます! (2018年3月10日 22時) (レス) id: cff83fd718 (このIDを非表示/違反報告)
花藺 - 霧神廉さん» 嗚呼、なんてありがたいお言葉・・・っ!頑張ってきてよかった・・・。これからも頑張ります!o(`^´*) (2018年2月14日 20時) (レス) id: 60a7600913 (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - 面白いです。更新頑張って下さい! (2018年2月14日 20時) (レス) id: 957f042b23 (このIDを非表示/違反報告)
花藺 - 名無しの猫さん» あああありがとうございますぅぅぅ!これからも更新頑張ります!応援よろしくお願いいたします! (2018年2月12日 13時) (レス) id: 60a7600913 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花藺 | 作成日時:2018年1月12日 22時

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