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〈No side〉

また、ヒュウウ、と風が吹きすぎた。
ところ変わって、アカツキたち。

「···ね? 大変でしょう···」
「···大変だねェ」

他人事なのは、まあ仕方なかろう。

「と···とにかく。今のところ命の危険はなさそうだ。
 更屋敷と霧ヶ野には悪いが、しばらく奴の相手をしていてもらおう」

そんなザクロの言葉に、二人はさんせい。と両手(もろて)を上げる。
仕方ない。他人事だもの。

「攫われた娘ってのァあれで全部かい?
 五、六人しか見えねえが···」

話の路線を戻すようにカイコクはもう一度下を見下ろした。
ようやく、救出の算段を立て始めるというところだろう。

「キハチ長老『地下牢が一杯』って言ってました。
 もっとたくさんいると思います」
「入出、地下牢の位置はわからないか?」
「えーと」

顎に手を添え少し考える。
すぐに腕を伸ばして方向を指し示した。

「俺たちが最初閉じ込められたのがあそこ···亀甲縛りされてる桃太郎の塔です」
「···ひでーな」
「キジとイヌとサルが縛られてる塔はまだ探してないのでおそらく···」
「なんかもうここ全体的にひでーな···。誰の趣味でぇ···?」

下でキッカがくしゃみを一発。彼女は根に持つタイプである。
そんなことはまったく気づかず、
カイコクは手首のカウンターをチラッと見て提案した。

「···手分けするか」
 
 
そうして、結果。

「キジの塔はまた俺が行く。先ほどキハチがいたから危険だ」
キジの塔、担当ザクロ。

「ひとりで大丈夫ですか···?」
イヌの塔、担当アカツキ。

「そいつをひとりで行かせるよりマシだ」
「···信用ねェなあ」
サルの塔、担当カイコク。

「地下牢を見つけても安否を確認したらいったん戻ってくれ。
 更屋敷を回収してからまとめて解放してやろう」

ザクロのその言葉を合図に、三人は誰からともなく立ち上がった。

「じゃあ30分後に」
「はい!!」

すべては、仲間を救出するため。
そして、ゲームをクリアするために。
 
 
 

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花藺 - 霧神廉さん» ひ、久々に覗いたらこ、コメントが・・・。本当にごめんなさい。そしてありがとうございます。待っててくださいね!頑張ります! (2018年3月21日 22時) (レス) id: 78c6e1698f (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - 更新停止は寂しいですが、僕はいつまでも待ってます! (2018年3月10日 22時) (レス) id: cff83fd718 (このIDを非表示/違反報告)
花藺 - 霧神廉さん» 嗚呼、なんてありがたいお言葉・・・っ!頑張ってきてよかった・・・。これからも頑張ります!o(`^´*) (2018年2月14日 20時) (レス) id: 60a7600913 (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - 面白いです。更新頑張って下さい! (2018年2月14日 20時) (レス) id: 957f042b23 (このIDを非表示/違反報告)
花藺 - 名無しの猫さん» あああありがとうございますぅぅぅ!これからも更新頑張ります!応援よろしくお願いいたします! (2018年2月12日 13時) (レス) id: 60a7600913 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花藺 | 作成日時:2018年1月12日 22時

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