好きだと素直に言えなくて...

好きだと素直に言えなくて25 ページ26

風磨side





ん？





誰だ？





屋上に人がいるのなんて珍しいな...





俺は気にせずに定位置に横になる...





？｢...あの......｣





声のする方を向くと、そいつと目が合った。





黒髪で少し小柄なやつが、こちらを見ている。





力強い目だった。





？｢ちょっと、ひとりにしてくれませんか？｣





不機嫌そうにそいつは言った。





風｢ここは、別にお前のもんじゃないだろ...｣





俺はまた目を閉じて横になる。





俺にとっては、お前がいようといまいと関係ない...





？｢まっ、いっか。...ねぇ？なんていう名前ですか？｣





風｢？...人の名前を聞くときはまず自分からなんだろ？｣





勝｢...なにそれ(笑)まぁいいや、俺は佐藤勝利です。2年...｣





風｢俺は、菊池風磨。2年。｣





勝｢風磨くん...｣





風｢何？｣





勝｢別に呼んだわけじゃないよ...(笑)同じ学年なんだね！見たことないや｣





風｢あ、そ。あぁ、俺、レアキャラだったからな｣





勝｢え？なにそれ？...まぁよろしく...風磨くん！｣





風｢？......よろしくな...佐藤？｣





中島とは違う。





このよろしくは何なんだろう...





勝｢佐藤っていっぱいいるから、勝利でいいよ。俺、風磨くんと話してみたいんだけど、相手してくれる？｣





正直、ひとりで過ごしたかったけれど、





はじめに見たこいつの表情が気になって...





聞いてみることにした。





Aと会うまでの俺なら、きっと無視してたな。





一旦、気持ちを外に向けてみると、少しずつ自分が変わっていくのがわかる...





A...





改めて思う...





君が全てのきっかけだったんだよな...

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