好きだと素直に言えなくて...

好きだと素直に言えなくて13 ページ14

風磨side





ったく...俺一人で何しとけって言うんだよ。





ｶﾞﾔｶﾞﾔ





夕暮れ時の街は、賑わっていて、





俺は、今、この中にまぎれた学生のひとり...





ただ、俺にとっては初めての事が多すぎて、困惑...する。





風｢寄り道って、何が楽しいんだろ...｣





さっきのやつ、いいデザインだったな...





そろそろ髪も伸びたしな...また、切ろうかな...





風｢つーか、おせぇ...｣





｢パパー！｣





突然の叫び声に、振り返る。





｢おっ！迎えに来てくれたのか？｣





｢うん！ママとね、パパをびっくりさせようって思って///｣





｢そうかー///ありがとな///｣





｢あなた、おかえりなさい...｣





仲良し親子の会話だった。





昔は、よくうらやましがったな...





俺は親父のことは知らないから...





ただ、今日の俺には、少し応えたみたいだ。





風｢帰ろう...｣





俺は、その場を立ち去ろうとした。





あ｢風磨！！どこ行くの？ﾊｧ｣





A...





あ｢帰るなって言ったじゃん！すぐ戻るって...ﾊｧ｣





息を切らしながら、そう言う君。





風｢おせぇ...ょ...｣





あ｢ごめんごめん！はい、これ！｣





風｢え？｣





君から渡された小さな包み。





開けてみると、さっき見てたヘアゴムだった。





風｢これ...｣





あ｢さっき、めずらしく興味示してたじゃん！それに、寄り道記念///私がおごってあげる！｣





風｢...｣





あ｢風...わっ！///｣





ｷﾞｭ





風｢悪い...なんか分かんねぇけど、少しだけ...このままで...｣

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