【#4 個性】 ページ7
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その後もテストは続き、ついに結果が投影された。
ボクの順位は一位。
二位、三位は推薦組の八百万と焦凍で、爆豪は四位。
一番心配していた緑谷はというと、
最下位だった。
「ちなみに除籍は嘘な。」
センセーの言葉に、皆の目が点になる。
「君らの個性を最大限引き出す合理的虚偽。」
「「はぁぁ！？」」
「あんなの嘘に決まっているじゃない。ちょっと考えればわかりますわ。」
「ちょっとヒヤッとしたな。」
「俺はいつでも受けて立つぜ。」
嘘。
センセーは本当に見込みがない奴は除籍処分にしていたはずだ。
センセーが嘘だといったのは、緑谷に見込みがあったから。
それがわかったボクは緑谷の元に歩み寄った。
保健室へ行くための紙を緑谷に手渡したセンセーと目が合う。
好きにしろ、そう言われたような気がした。
「緑谷、ちょっと来て。」
「えっ、あ、はい！」
皆から離れて、校舎裏に緑谷を連れ出す。
「あ、あの？」
「急にごめんね！ボク、炎流A。前の席だからよろしくね。」
「う、うん。僕は緑谷出久…」
「手、見せて。」
まだ困惑している緑谷の右手を取って、人差し指を撫でる。
一瞬、痛むようで緑谷が顔を歪めた。
「パワー系？手にしか使えないのかな。それに、個性が体に合ってない。」
「あ、うん…。扱いが難しくて。」
「でも、伸びしろがある。きっとセンセーもそれがわかったから除籍にしなかったんだね。」
緑谷の手を、ボクの耳飾りに近づけた。
手と羽が触れると、変色して腫れていた緑谷の指が元の綺麗な状態に戻る。
「え…」
「ボクの個性。皆には内緒な！」
「わぁっ、ありがとう！炎流くんの個性って一体…？」
「いつかちゃんと教えてあげるよ。それより、早く教室戻ろう！」
ずっととったままだった緑谷の手を引いて走った。
なんかこの子、ほっとけない気がする。
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作者名：結城莉桜 | 作成日時：2021年9月14日 10時
