Mizuki ページ5
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井「どこ行くの」
日付が変わりそうな頃、コンビニに行こうとしたら丁度帰宅した兄である瑞稀に遭遇した。最近わざと避けてるから、直接顔見たの久しぶりだな。画面越しではいっぱい見てるけど。
「…瑞稀」
井「"お兄ちゃん"だろ。生意気になりやがって」
「退いて」
道を塞ぐように立つ瑞稀を軽く押す。
井「こんな遅くにどこ行くんだよ」
「瑞稀には関係ない」
井「こんな時間に呼び出す男なんてロクな奴じゃないよ」
「は？」
急に話が飛躍して困惑に包まれる。
井「誤魔化しても無駄だから。彼氏できたから、俺のこと避けてるんだろ」
「……」
彼氏なんか出来てないけど、それを言えば確実に避けてる理由を問い詰められる。だから逃げるが勝ちだと思って背を向けた。
井「は!?おい、待て」
「やめて、離してよっ！」
掴まれた腕を振り払うと、後ろからぎゅうっと抱きしめられた。
「なっ！離して！なに考えてんの!?家族に見られたらっ！！」
井「離してほしかったら、このまま大人しく俺の部屋に着いてきて」
腕の中でジタバタと暴れるけど、華奢とはいえ男である瑞稀に力では敵わなくて簡単に抑え込まれてしまった。
「…1分だけだから！」
兎にも角にも離してほしくて、大人しく従った。
「んぅｯ♡……んっ、ん��」
部屋に入った途端、荷物を放り出した瑞稀にドアに縫い付けられてキスをされた。抵抗のつもりで、胸元をぐいっと押すけど、ビクともしない。
「…ぷはっ！なに、するの！？」
井「キス」
「それはわかってる！妹にキスするって正気!?」
井「それはこっちが聞きたい。俺が好きだって言ったその口でなんで他の男に愛を囁いてんの？」
「囁いてないし。てか彼氏なんかいない！」
井「じゃあなんで俺のこと避けてんの」
「だって、兄妹は恋人にはなれないんだよ」
井「なに当たり前のこと言ってんの」
こちらをバカにしたような態度にイラッとする。それについて私がどれだけ葛藤したと思ってんの！？
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作者名：ミヤ | 作成日時：2023年6月17日 16時
