Soya ページ25
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猪「今Aに与えられてる選択肢は、このまま帰るか、俺の家に来るかの2択だけど…どーする？」
蒼弥くんが事前に予約してくれていたお店を出て、肌寒い空気に震えていたら、マフラーでぐるぐる巻きにされながらそんな質問をされた。
「蒼弥くんの家行きたい」
猪「それは、そういうことになるってわかって言ってんだよな？」
「……うん」
恥ずかしくて、マフラーに顔を埋めた。
猪「うん。じゃあ、行こうか」
そう言って差し出された手は熱いくらいで、緊張してるのは私だけじゃないと少しだけ安心させてくれた。
猪「辛くない？」
「……うん」
猪「慣れてくのを見れるのもいいけど、たまには素直になってくれると俺も嬉しい」
付き合う時にそういうことは責任をとれるようになってからって2人で決めたから、身体を重ねるようになってからの日は浅い。大切に大切に取っておいたものを貰ってくれた日はまだ昨日のようで、こういう風になると、まだ恥ずかしさが前面に出てしまう。
「うぅ〜、恥ずかしいものは恥ずかしい…」
猪「うーん、なにから慣らしたらいいかな」
真剣に悩んでくれる蒼弥くんに、そうだったこの人は私のことを誰よりも尊重してくれる人だったと改めて思い出す。
「蒼弥くん」
猪「なあに、抱きしめてくれるの」
おずおずと腕を広げれば、すぐに意図を汲み取ってくれたので小さく頷いた。
猪「まあ、ここからステップアップしていけば、ｯ！」
グイッと身を倒して腕の中に閉じ込められてくれた蒼弥くんの頬にチュッとキスする。
猪「や、そこは唇でしょ」
「そ、れは、もうちょっと待って？」
猪「じゃあ絶対にAからキス出来るようになって。これ当面の目標ね」
「頑張ります……」
猪「うん。時間ならたっぷりあるから、いつまででも待ってるよ」
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作者名：ミヤ | 作成日時：2023年6月17日 16時
