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Juri ページ1
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「あ、お迎え来てるよ」
大学のカフェテリアで一緒に課題をしていた友達が校門の方に出来た女子の群れを見て、苦笑いをした。過保護を通り越している兄がまた迎えに来たのだ。いつもロクな変装もせずに来るから囲まれるんだから、少しは顔隠せばいいのに。
「うん、知ってる」
「ここにいていいの？」
「頼んでもいないのに勝手に来たのはあっちだから」
「でも人気アイドル様を待たせとく訳にはいかないでしょ」
「大丈夫だよ。どーせすぐ来る」
樹「お待たせ、Aが大好きなお兄ちゃんがお迎えに来たよ」
ほらやっぱり。あの兄は私を見つけることに関しては神レベルなのだ。お陰でこの歳まで自分が方向音痴だって知らなかった。
「好きじゃない、頼んでんない」
樹「今日も天邪鬼だな？」
後ろからぎゅうっと抱きついてきた腕が随分と冷たくて、ぶるっと身震いした。
「しょうがないから、今日はもう帰るね。課題最後まで一緒に出来なくてごめん」
「大丈夫。それにお兄さん見つけた時点でこうなると思ってたしね」
広げていた課題とかをバッグに押し込めて帰り支度をしながら友達に謝れば、慣れた風に返された。まあ、今日みたいな事は一度や二度じゃない。そりゃいい加減慣れるよね。
樹「察しが良くて助かるよ〜。はい、帰ろ」
差し出された手を無視して、駐車場の方に歩き出す。校門で待っていてくれたけど、多分今日も車で来ているはず。
樹「えーお兄ちゃんと手繋いでこうよ〜」
「嫌に決まってるでしょ！」
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作者名：ミヤ | 作成日時：2023年6月17日 16時
