Juri ページ23
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樹「A....A」
「.....？」
少し遠くから名前を呼ばれて目を覚ました。真っ白な部屋に視界を奪われて狼狽えていると、再度声をかけられた。
樹「A。そこにドアあるから、開けて」
「ドア？...って樹？」
先ほどから声をかけてくれていたのは、樹だったらしい。けど、なんであんな部屋の端っこにいるんだろう。
とりあえず、言われた通りドアを開けようと立ち上がる。この真っ白な部屋なんなんだろう。私いつの間にこんな所に来ちゃったの？
「ねえ。私たちなんでこんなとこにいるの？」
樹「っ？さあ、な」
声を掛けた樹が随分と辛そうでビックリする。
「樹？どっか痛いの？」
樹「へーきだから。早く開けて」
「けど」
心配で近寄ろうとしたら手で制された。
樹「こっち、来んな」
「え、なんで...ってなにこれ？」
突然何かを踏んで、拾いあげてみると簡素な一文。
"用意された5本の媚薬を飲みきらないと出られません"
どういうこと？と再度樹の方を見れば、近くに空の小瓶が落ちていて。つまりは、私が寝ている間に樹が全部飲んでくれたってわけだと気づく。
樹「状況わかった？...じゃあ、早く出て」
「でも...樹辛そう」
樹「こんくらいなら、ちょっと待ってりゃ、落ち着くから」
早く出てとドアを指差された。
「……」
樹「A」
視線が早くしてと言っている。だけど、こんな状況で好きな人を見捨てていけるような人間じゃない
「やだ」
樹「ｯ！やめろ、こっち来んな…ｯ！」
「それで樹が楽になるなら、私の事使って？」
樹「やだ、俺こんなことで、お前に手ｪ出したくない。ちゃんと俺のこと好きにさせてからって決めてんの」
それ言っちゃっていいの？けどそっか、
「それならもうとっくになってるよ」
樹「は」
「ちゃんと好きって表現してたつもりだったんだけど、伝わってなかったかな」
樹「紛らわしいんだよ…友達に対するのだと思ってた」
「ごめんね。ね？そういうことだから、樹の好きにして？」
樹「ああ、くっそ。あとでやり直しさせて」
こんな状態の樹に初めてを貰ってもらえるなら最高なんだけど、さてどうやって伝えようか
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作者名：ミヤ | 作成日時：2023年6月17日 15時
