検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:16,256 hit

モノガタリ 基ノ百四十二 ページ7

そらるside

歌「ねぇ、Aくん、」

歌詞さんが意を決して口を開けた。いつになく真面目な顔で話す歌詞さんに、首を傾げるAくん。

歌「教えて欲しいんだ、君のことを。」

言葉の意味を察したらしく、不安そうな表情を浮かべる。ああ、この表情、これで何回めだ。

『っAくん、』

桐「良いですよ、大丈夫です。」

「嫌だったら止めていいんだよ」と言おうとした声を遮って、話し出したAくん。

桐「落ち着いた時に話そうと思ってたんですけど、話し出す勇気がなくて。でも、ちゃんと向き合って、言おうと思います。」

「聞いて、くれますか?」と眉を下げて笑った。各々が強く頷く。

桐「じゃあ、あの日の話の続き、しましょうか。」

桐「センラさんから聞いていると思いますが、俺は第一研究所の被験体です。」

聞いてはいた。が、本人の口からいざ言われると、それがどんなものなのか、どれだけ重いのか、改めて思い知らされた。

桐「皆さんが聞きたいのは、その事ですよね?」

また、各々が強く頷く。再び悲しそうに笑って、「分かりました」と、一言。

セ「じゃあ、まずは俺から。君は、何の研究によって生まれた研究産物なの?」

桐「俺は、特異契約の実験のために造られました。」

『特異契約?』

桐「はい。俺が久遠と結んだ契約は、元の術式とは違うでしょう?」

ま「確かに、Aくんが、被支配側に当てられてるよね。元のものとは真逆だ。」

桐「まふまふさんの言った通り、俺は被支配側。術式の変換をすることで、強力な吸血鬼の力を、間接的に人間にも扱えるようにしたんです。」

そう言いながらAくんは、複雑な顔を浮かべ、首元の契約跡にそっと触れた。

モノガタリ 基ノ百四十三→←ちょっとおさらい3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
191人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 吸血鬼 , 能力
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

歌波@こたぬき - とても面白いです!私も抑うつの症状が少し出ているので、烏滸がましいながらもわかります。体に気をつけて更新、頑張ってください! (2019年9月9日 18時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:零ノ使徒 | 作成日時:2019年6月29日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。