１０ ページ10
半年後──
「ポチー！無事だったのねー！」
「近所の公園でのベンチの下で見つけました」
泥だらけの姿でポチを飼い主に渡すA。
「ありがとう、探偵さん！」
「いえいえ、受けた依頼は必ずやり遂げるのがうちの売りですから」
依頼主が帰った後、管理人さんがやってくる。
「あんたまたそんな泥だらけで・・」
「あはは・・」
「探偵なんてやってないでさっさと就職なりいい男なり捕まえればいいのに」
そういう管理人さんにAは苦笑いをした。
「あの探偵よりいい男なんてたくさんいると思うんだけどねー」
飾られた写真立てにはいつか撮ったチャンミンとユノとA、そして仲間たちの写真。
犯人を捕まえた後、ユノはあるべきところへ戻った。
【回想 犯人逮捕、A救出の場面】
「よかった・・」
心底ほっとしたように言うユノ。
抱きしめる手が緩んで顔を見合わせる。
「ごめん」
そう言うユノに私は笑った。
「助手もやる時はやるんですよー」
この空気を換えようと明るい声で言う。
私はある決意を固めていた。
「A・・」
「ユノさん、これで・・韓国に戻れますね」
「え？」
「連続殺人の犯人を追って日本にきたんですよね？」
何も言わないユノにAは続ける。
「過去、取り戻してください。それでユノさんはユノさんに戻ってください」
チャンミンと会ってから感じていた違和感。
この探偵をしているユノさんはきっとユノさんであってそうじゃない。
時々見せる見たこともない顔にどうしようもない不安を感じていた。
それはきっと・・ここにいるユノさんが無理して笑っていると思いたくなかったからだ。
「俺は・・」
「私も・・」
Aはまっすぐユノを見つめる。
「自分の道を見つけますから」
ユノについていくだけの自分じゃなく、自分で見つけた道を歩いていく。
過去を聞いてから思っていたこと。
私は大切な人でも特別でもない。
わかっていたことだ。
夢を彷徨っていたユノが出会った幻のようなもの。
これからは現実を生きて、現実の中で・・どうか、、
幸せになって欲しい。
ユノはそれからすぐ居なくなった。
何も言わずに。
【回想 終わり】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Lip(プロフ) - たあさんさん» たぁさんありがとうございます！楽しみにしていただけるなんて嬉しいです♪ユノの長編もできるようにチャンミンのも進めるように精進してまいります！探偵ユノは書いてても楽しかったのでそう言っていただけると嬉しいです♪これからもよろしくお願いします！ (2018年4月4日 21時) (
レス) id: dcd05bc8ce (このIDを非表示/違反報告)
たあさん(プロフ) - Lipさん、ユノの長編もチャンミンの長編も楽しみにしています！探偵ユノも面白かったです(^-^) (2018年4月4日 0時) (レス) id: 3c91ad79e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Lip | 作成日時：2018年4月3日 21時
