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「別によかったのにー送ってもらわなくて」
キムチ鍋を食べて帰ると言った私にチャンミンは自分も帰るから送ると言ってくれた。
芸能人なんだからタクシーで帰ればいいのに。
「一応、女なんでなんかあったら気持ち悪い」
「気持ち悪い！？」
「アトアジわるい」
片言の言葉に笑ってしまった。
「あっ！」
「ふぇ？」
あ、今の声可愛かった。
「タクシーで一緒に乗っけてもらえばよかった」
「図々しいですねぇ」
「あーでも“一応”女と一緒だとまずいかー。あーでもマネージャーさんとかと間違われるかな」
「マネージャーが途中で降りてどうする」
「それもそうだ」
こういうの話してるとき、あぁチャンミンなんだと実感する。
でも実際はよくわからない。
まだ夢の中にいるんじゃないかと思う時がある。
なんだかそれも申し訳ない。
「タカシ…朝、ちょっと話して」
「今日の？」
「あ、スープごちそうさまでした」
「いえいえ」
食べたんだ、なんてちょっと嬉しくなる。
「俺がいたからAに電話できたって言ってたから」
「あー…、なかなかね、この年になると誰かに感情爆発させるのって無理になるよね」
「Aも？」
「・・・」
「大丈夫だから言ってみな」
「へ？」
昨日の私のセリフだ。
「なんて、おっとこまえな誰かなら言うんですよねー」
こうやって距離を縮めて、また戻して
そう言うのめんどくさいけどそれが一番のお互いが心地いい方法。
「あーユノさんだ」
「あの人はもっとめんどくさい」
「めんどくさい？」
「俺が信用できないのか、俺はお前のこと思ってる」
めんどくさいと言いながら嬉しそうなチャンミンに思わずうらやましいと思った。
「熱いねぇ〜」
「あつくるしいですねぇ〜」
そう言ってくれる人がいることもそうやって言ってもいいユノさんにも
心地のいい距離を作ってくれるってことは、まだ一緒にいれるってことなんだろうか？
さようならが寂しいのはなんでだろう？
東方神起、ファンであるその人とつながっていたいから？
いや・・
「あ、じゃぁここで」
「あ、うん」
「次は、」
「え？」
「次はオムライスがいいですよ」
「ん？」
「ほどよくとろとろのやつでお願いします」
振り向いた先にあったおどけた笑顔に私はわざとらしくため息をついて
「はいはい」
とバイバイをしながら後ろを向いて歩いた。
ごめんね、タカシ
もうちょっと傷心でいてください！
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作者名：Lip | 作成日時：2018年2月15日 0時
