名前のない関係─CM (ページ8)

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「チャンミンは？」

「お？」

「大丈夫？」

チャンミンを見ないでキムチを切った。

「昨日は・・」

「ん？」

「昨日のことは忘れてもいいです」

キムチを切るのをやめてチャンミンを見た。

無表情、さすがスター、辛いことがあっても表には出さない

「内容は忘れる」

「はい」

「でも言ってくれたことは忘れない」

動きが止まるチャンミン

「おっとこまえなもんで、いつでもどーぞ」

さすがに顔は見れなかった。

恥ずかしいことを言ってる気がする。

でもきっと、言える人も限られてると思うし

少しでも気休めになれば・・

「考えときまーす」

距離を感じるその言い方は少しやっちまった感が残る。

昨日今日会った人に何言ってんだ。

「ごめん」

「ん？」

「調子に乗りましたー」

おどけて見せててへぺろした。

「こういうとこあるんだなー私、だからモテない(笑)」

ぷはっと笑って含み笑いをしているチャンミンに

「なによ」と言ったら

「いさぎいいとこまでおっとこまえだなーって」

「私はいつ女になれるんだろ(笑)」

「来世ですかねー」

「おい」

うん、こっちのほうがきっとチャンミンにとってはいいんだ。

相談相手よりも、こうやってなんでもない会話をするほうが。

そう思ったらどんどん私も軽くなって話が弾んだ。

「お、なんだ楽しそうじゃん」

タカシがコチュジャンとおつまみを連れて帰ってきた。

「これでよかった？」

「おー」

「もうちょっとだからねー」

「なんかさぁ・・」

タカシが言うことがわかったのか私たち2人はタカシをにらんだ。

「タカシのだけコチュジャンたっぷりいれましょうか」

「いいね、そうしよう」

「ごめんって！！」

ずっといるような感覚で久しぶりに大笑いした。

おかしいな、隣にいるのは東方神起のはずなのに

そんなこともうどうでもいいや

「A！鍋！」

「あ、あっぶなー」

「やーちゃんと見ろー」

隣にいるのはシムチャンミン

ただの小憎たらしい弟だ。