名前のない関係─CM (ページ27)

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「A？」

「へ？」

100均についたとたん呼びかけられて振り向くとそこには久しぶりに会う友人がいた。
苦手なんだよね、この子・・
何かと自分が上だとでも言いたがるこの子にチャンミンと一緒の時に会うなんて・・

「久しぶりだねー何？デート？？」

「違う違う」

あ、彼女設定忘れてた。

「なんだーAにも春がやってきたのかと思ったのにーしかもイケメン！」

「ハハハハハ」

早く去りたい、できるだけチャンミンを背中に隠してるつもりなのに
背の高いこいつは全然隠れない、そしてイケメンもマスクくらいじゃ隠れない。
絶対嫌味言われる。

「Aの好きな東方神起の可愛いほうに似てるよねー」

「は？」

思わず反応して声を出しているチャンミンをよそに私は声も出せずにいる。
待って、今？今！？
こんなとこでバレるの！？

「な、何言ってんの！そんなわけ……」

「あんだけ好きなんだもんねー、似てたら君、押し倒されてるよー？(笑)」

本人ですよーなんて言えるわけもなく、そんな空気でもなく
そして押し倒されなくてよかったねー的な言い方がマウントかけてる女子的な感じがして苦手

「あれ、でもAが好きなのって男前のほうだっけ？タイプから言うとそっちよねー」

あーもうこんな嫌味で私が大ピンチに陥ろうとは思ってなかったよ！
チャンミンに色目使ってるなこの子！

「じゃ、じゃぁ私そろそろ・・」

もうこの空間に居られる気がしない！
なんの爆弾落とされるかわからない！！

「画面の中のアイドルじゃなくてさ、彼氏できるといいねー」

可愛いんだから、とわけのわからないフォローなんてどうでもいい。
もう、どうでもいい。
この子の嫌味よりも何よりも恐ろしいのは・・

「A」

冷たい目と、マスクの下で絶対にやにやが隠し切れないであろう口元を想像して怯える。

「後でたっぷり聞かせてもらいましょうか」

神様、等々バレてしまいました。

嘘ってつき続けるものじゃないですね。
私、最大のピンチを迎えております・・・！！

何事もなかったかのように、
“本日主役”のたすきといかにもパーティーな眼鏡を買って下に降りる。
あ、ここでもチャンミンが払ってくれたけど・・
とんがり帽子人数分は無言の圧力に負けました。