居酒屋 ページ13
『今日飲まない？』
そうタカシからLINEが来て思わず喜びそうになったのをグッと堪える。
１ヶ月会っていない。
それなりに忘れていたと思っていたのにすぐこれだ・・。
なのに居酒屋を指定されてちょっと落ち込んだ。
こんな居酒屋にチャンミンが来るはずがない。
だけどちょっぴり期待した。
「それでさー最初にきた女の子たちがー・・」
準備段階とか正直どうでもいい。
20分は久々の合コンへ向けてのタカシの意気込みが語られた。
やっぱりいないその姿にもうなんでもよくなる、あんたの話なんか・・あ、ごめん。
「それでさ、一目ぼれして」
「え？」
「遅れてきた子！清純って感じなんだけどなんかエ ロくてー」
あんたの趣味なんかどうでもいい。
なんか特別な意味はないのにイラっとするのは
自分が女じゃないのに誰かが女扱いされてるから
そして男のこいつを想像するのは無理だから。
「本気で狙おうかと思ってるんだよね」
「そう、頑張って」
気のない返事はしたけど・・
あぁ、狙ってる子がいるってことは・・
「そしたらあんま2人で会わないほうがいいかもね」
「え？」
「勘違いされてもめんどくさいし」
「まじめだよなーそういうとこ」
ケラケラ笑うタカシには女というものがわかっていない。
女の敵は女なんだから、いくら本人同士がよくても周りはよくない。
「チャンミン、日本に来るの再来月だしそれまで会えないのとか無理」
チャンミン、という言葉を聞くだけで反応してしまう。
韓国戻ってるんだ、そうか・・
そんなの全然知らなかった。
知らないで毎日ソワソワしてた自分が滑稽に見える。
「ねぇも早く彼氏作ったらいいのに」
「は？」
「彼氏いるんだよって言ったら対外納得するだろ」
確かにそうだけど・・私は・・
「チャンミンとかどう？そしたら3人でいても全然いいし！」
自分のことしか考えてないこいつにため息をついた。
「あのねぇ・・」
「ウソウソ、冗談。住む世界違うもんなー・・。全然そんな事考えてなかったけどさ
やっぱりそういう事なんだろうな」
「・・・・そうだよ」
わかってる、わかってたけど誰かに言われるのは辛い。
現実をつきつけられて私はお酒をグイっと飲みほした。
「やっぱ私も彼氏つくろうかな」
現実的な、未来が見える普通の男性と出会って恋をして結婚して・・
それがいい。
それがいいんだ・・
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作者名：Lip | 作成日時：2018年2月15日 0時
