魅力的な男 ページ11
「はい、できたよー」
夜、タカシの部屋に行くと案の定待ち望んでしまったその人がいてウキウキする自分がいる。
オムライスを作るか作らないか、今日1日悩んでしまった。
なんだか素直に作ってしまうのが癪で、でもわざわざ違うものを作るのも逆にあれだなーなんて……
こんなこと考えている時点でもう気になっているんだけど、そりゃ当たり前だ、と思い直した。
だってファンだからね！そりゃね！
開き直ってリクエスト通りのトロトロのオムライスを出せば
「覚えてたんですねーオムライス」
ニヤニヤと笑うその顔を見てやっぱりやめておけばよかったと後悔した。
「何々？チャンミンのリクエストなわけ？」
いつの間にそんな話してたんだよーと拗ねるタカシ
「じゃぁタカシは何がいいの？あ、揚げ物以外ね」
「なんでだよ！」
「この時間のあげものはキツイ」
「あー年のせいですか？」
もうすでに半分をペロリと平らげたチャンミンを睨む。
「そういえばさ、ねぇってコウさんって覚えてる？」
「あー、鉄板焼きんとこの常連さん？」
「そうそう、その人が合コン開いてくれるらしくて」
「・・・ふーん」
合コンか・・タカシ、コミュニケーション能力半端ないからそういうとこだとモテるんだよね。
気に入った子できたら、きっと彼女できるんだろうな・・
「ねぇも一緒にどう？」
「・・・は？」
タカシを見た後、無意識にチャンミンを見てしまった。
目があってしまい慌ててタカシへと視線を戻した。
「ねぇだって彼氏いない歴かなりだろー？そろそろさー」
「いや、私はいいよ」
さして気にも留めてないチャンミンに寂しくなりつつも
もう一つのもやもやが私の中にできてしまった。
「なんでだよ・・もうそろそろさー」
「楽しんできなよ、私はパス」
「ねぇ、まだふっきれて・・」
「そういうんじゃないけど」
そういうんじゃない、もう過去の恋愛の傷は忘れた。
でも、なんでだろう・・なんでこんなに拒否反応がでてくるんだろう。
「タカシ、Aがくるってことは女の子1人減るってことだけど」
「まぁ、そうだけど・・」
助け船を出してくれたのがわかって少しホッとする。
「お気遣いはありがとう、でもね・・よく考えてみて？」
「ん？」
「タカシと私一緒に合コンに行って・・」
「行って？」
「私が女出せると思う？」
「あー・・・・」
沈黙が痛い。
「無理だな」
「でしょ？だから、この話はおしまい」
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作者名：Lip | 作成日時：2018年2月15日 0時
