始まりは ページ2
この関係の始まりは私が弟みたいに思っていた男友達タカシの電話から始まった。
『今から食料買って俺んちに来て』
「は？」
いきなりかかってきた電話は久しぶりにも関わらずこの調子
本当の姉弟かと思うくらいのタカシの言い方が懐かしかった。
『腹ペコで死ぬ。あ、酒はあるから』
「行く」
今日は飲みたい気分だった。
酒につられてのこのこと男の家に行くなんて・・
弟みたいなもんだけど
久々に姉の手料理を食べさせてやるか！
給料日前だから食料難民になってるのかもしれない
そう思ってたっぷり食料を買ってタカシの部屋にあがった瞬間
私はとんでもないものを見てしまった。
「きたきた、チャンミン！さっき言ってたねえちゃん！」
「お前の姉になった覚えはない」
いつものやりとりに自然と言葉が出てきた。
思考回路は停止してる。
「まぁまぁ、上がって上がって」
よく普通にタカシと会話できてるな、私。
だって、だって！！
さっきまでイヤホンで聞いてた歌を歌ってらっしゃる東方神起のチャンミン様が・・・
あろうことかこんな小さいアパートにいらっしゃる
「はじめまして、シムチャンミンです」
「あ、初めまして」
「さっき話したねえちゃんのA」
「だから」
お前の姉になった覚えはないという言葉を飲み込んだ。
チャンミン様が笑ってる
「こんな時間に呼び出せるの、ねぇしかいなくてさー」
甘えてくるときに使ってくる“ねぇ”という言葉
「あーはいはい、だいたい彼女は」
「別れた」
「は？」
「それも聞いてほしくてさー」
ため息をついて上目遣いの可愛いとはかけ離れた弟を引きはがす。
「ったく・・毎回毎回」
そんなことだろうと思った。
惚れっぽくてのめり込みやすい弟はいつも恋をしては相談をしてきて
付き合ったら疎遠になり、また別れたら甘えてくるの繰り返し
「学習しなさいよ」
「はーい」
普通の外見でも女に困らないのはこの人懐っこさのせいだろう。
「あ、ごめんチャンミン、腹減ったよなー？」
「ん」
「ってことで」
「はいはい」
いや、よく私ここまで平然としてられるわ、ビックリ。
多分この状況においついてないからだろう。
だって信じられる？
チャンミンってことはそっくりさんじゃないんだよね？
私、普通にファンなんだけど
と言ってもタカシは知らないけど
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作者名：Lip | 作成日時：2018年2月15日 0時
