この世界は悪魔から消える 【完結】

16▽Flash Back ページ16

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わたしには両親がいない。

わたしが生まれてすぐ、事故でなくなったのだと。
まだ幼くて、赤ちゃんだったわたしだけが唯一助かったのだと。



わたしには両親がいないことが普通で。

その代わり、優しい、優しいおばあちゃんがいる。




それが普通なのよ？

それがわたしの日常なの＿＿＿...









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やわらかい布団の中、私は夢でも見ていた？

涙が一筋落ちる。





おばあちゃんは...


...もういないね。





ふわふわ、ふわふわ。


夢と現実の間で、現実に身を起こせば眠っている彼らが見えた。


私をここに運んでくれた？

私を囲んでベッドにもたれて寝ている。



眠り姫か白雪姫はこんな気分？
寝ている間も守られているの。





この中から一人を選べばいいの？

何も、持ってないのにこの空間に閉じ込められている私はやっぱり酸素が足りなくて、苦しくて苦しくて浅く息を吸い込んだ。






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彼らの寝顔はなんの曇りもなく綺麗だ。


何も知らなければ私も喜んで彼らのうちの誰かを選んでいたと思う。
いや、実際選んでいた。





それなのに...なんで？

なんでこんなに苦しめることをするの？






愛は落ちるだけ。

深くなればなるほど、そこから抜けられない。
男たちは愛しい人を傷つけたくないと思いながら彼女を縛りつけることしかできない。








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