夢の時間 ページ41
"昨夜はああ言ったけど
ヌナの喜ぶ顔が見たかったし
ヌナはせっかちだから
俺の奥さんになるまでは
きっと待てないよね？"
ニックンはそう言ったけど
そんな事ないよ。
ちゃんと待てたと思う。
だけど
ニックンの気持ちは・・すごく嬉しかった。
ドキドキしながら
2人でホテルを出ると
木々の茂る夕暮れの通りを
船着場に向かって歩いた。
歩き出して1分もしないうちに
女装したニックンが私の手を取る。
「え・・いいの？」
「・・いい」
ニックンはポーカーフェイス。
部屋にいる時は
ニックンの方が
"外に出たら絶対にベタベタしたり
くっついたり出来ないからね
気を付けてね"
って言ってたのに、
・・可愛い。
「女同士なのに
どうして手を繋いでるんだろうって
思われちゃうね」
クスクス笑う私に
「親友だって思われるよ、きっと」
すまし顔のニックン。
結局私達は
船着場まで手を繋いで
人々が行き交う中を歩いた。
もちろん
辺りへの警戒は解けなかったけど
ニックンとお喋りしながら
外を歩くことがすごく新鮮で
・・心は躍る。
船着場に着くと
ニックンがチケットを買ってくれて
私達はそこから
チャオプラヤ川沿いの観光地を行き来する
ツーリストボートの最終便に
乗り込んだ。
船に乗れたことを楽しむ余裕はまだなくて
女装したニックンと
ツーリストボートの船上にいるってドキドキだけで
心臓がどうにかなりそうだった。
運良く1階デッキの最後部に空席を見つけ
そこに2人並んで座ると
やっと・・ニックンが安堵したように
こちらを見てこっそり微笑んだ。
「乗れたね」
「すごく嬉しい
・・ありがとう」
「どういたしまして」
囁き声で会話しながら
女装姿のニックンが
風に吹かれる私の髪を
整えてくれる。
「・・ドキドキした？」
・・ってニックン。
「うん・・今もドキドキしてる」
「せっかくだから、楽しもうね」
ニックンはサングラスしてるから
その瞳は見えないけど
表情から優しさが伝わって来る。
ちょうど夕日が沈む前の時間帯で
川面全体が薄らと綺麗なオレンジ色に染まる中
私達を乗せた船が動き始めると
ニックンと私は
一緒に川沿いの街並みを眺めた。
視界に映る建物や寺院、橋の名前を
教えてくれるニックン。
ディナークルーズではなかったけど
それは
私にとって、憧れてた夢の時間だった。
隣にはちゃんとニックンがいて
こっそりと、だけど・・手も繋いでた。
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胡麻油(プロフ) - vol.624まで読みたいです♡笑 (4月14日 21時) (
レス) @page44 id: 5d4609bdae (このIDを非表示/違反報告)
凛生(プロフ) - 麻樹子さん» ありがとうございます(°▽°)覚えていて下さってまた読みに来て頂き感謝の気持ちでいっぱいです。この先もドキドキして貰えたらいいな(^-^) (3月1日 17時) (レス) @page12 id: 604374d13e (このIDを非表示/違反報告)
麻樹子(プロフ) - 凛生さん、お久しぶりです。長い間ずっと待ってました。今は2PMのお話が更新されなくなりとても淋しい気持ちでした。またドキドキするお話を拝見する事ができてすごく すごく楽しみです。ありがとうございます。 (2月28日 20時) (レス) @page10 id: 844b947a69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛生
| 作成日時：2024年2月16日 20時
