不穏 ページ27
会社の最寄り駅から
同じ車両に乗って来て
しかも同じ駅で降りて
同じ出口の同じ階段
「気のせいじゃない？」
最初はヨンジェもそう言ったけど
気のせいじゃない。
その男は
ずっと私達のすぐ後ろを
付いて来る。
地下鉄駅の階段を上がり
地上に出ると
辺りはすっかり暗かった。
私とヨンジェは
大通り沿いを
2人並んで家の方向へと歩く。
「確かについて来てるね・・」
前を向いたまま
ヨンジェが言う。
「ほら、言ったじゃない」
「どうする・・？」
「わからない」
だって、
この人が何者なのかも
どうして私達の後をついて来るのかも
わからなかった。
「奴に見覚え無いの？」
「全くない」
「昨夜のパパラッチと関係あるんじゃない？」
淡々としたヨンジェの言葉に
そんなはずない。
そう思いたいのに
もしそうだったらどうしようって
不安になった。
銀行の前まで来ると
ヨンジェがATMを利用するために
私達は立ち止まった。
歩道の脇でヨンジェを待ってる間に
ニックンからカトクに
届いた短いメッセージ。
”俺の彼女は今どこ？”
その文字だけでも
十分ときめいた。
”家に帰る途中
ニックンは仕事中？”
そう返して
今のこの状況を
ニックンに話すべきなのか・・考えてしまう。
ニックンとは
無関係かもしれないのに
余計な心配をかけたくなかった。
そんな落ち着かない気持ちでいると
「まだいる」
戻って来たヨンジェが
お札を財布にしまいながら
独り言みたいに呟いた。
そこに届いた
ニックンからの
2度目のメッセージ。
”俺はたった今ヌナの家の下に着いたよ
待ってる”
え・・？！
動揺した私は
無言でヨンジェに
そのスクリーンを見せた。
本当なら嬉しくて仕方ないはずの
そのメッセージを
手放しに喜ぶ事が出来なくて
どうしよう・・って
戸惑いの方が大きかった。
「まずいんじゃない？」
ヨンジェはそう言って
辺りを警戒する素振りを見せる。
そして
「・・いない」
呆気に取られたように
私を見た。
「え・・」
「奴がいなくなってる」
辺りを見回すと
確かに・・さっきまでいた男はいない。
気のせいだった・・？
本当に？
少しの間そこにとどまって
小声で話しながら
私達は何度も
その男がいないことを
確認した。
それで
あの人はたまたま私達と同じ方向に
向かってただけで
本当に気のせいだったのかも
そう思った。
アパートの前まで来ると
ニックンの車が停まってるのが見えた。
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胡麻油(プロフ) - vol.624まで読みたいです♡笑 (4月14日 21時) (
レス) @page44 id: 5d4609bdae (このIDを非表示/違反報告)
凛生(プロフ) - 麻樹子さん» ありがとうございます(°▽°)覚えていて下さってまた読みに来て頂き感謝の気持ちでいっぱいです。この先もドキドキして貰えたらいいな(^-^) (3月1日 17時) (レス) @page12 id: 604374d13e (このIDを非表示/違反報告)
麻樹子(プロフ) - 凛生さん、お久しぶりです。長い間ずっと待ってました。今は2PMのお話が更新されなくなりとても淋しい気持ちでした。またドキドキするお話を拝見する事ができてすごく すごく楽しみです。ありがとうございます。 (2月28日 20時) (レス) @page10 id: 844b947a69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛生
| 作成日時：2024年2月16日 20時
