深夜３時の騒乱 ページ22
結局
たくさん好きな方が・・負け。
もっと会いたい方が
もっと愛されたい方が
もっと寂しがりの方が・・負け。
--------------
ひとしきり泣いて
やっと・・少し気持ちが落ち着くと
バスタブにお湯を張った。
泣きすぎて・・頭痛はするし
洗面所の鏡に映る私は
泣き腫らした真っ赤な目と
グズグズの鼻。
時計を見れば
既に深夜3時を回ってて
明日の仕事のことも
考えなきゃいけない。
冷凍庫から氷を出して
氷嚢で瞼を冷やしながら
洗面所で
バスタブにお湯が溜まるのを待つ。
そんな虚無の時間。
不意に
インターホンの音を聞いた。
空耳だと思ったけど
違った。
・・ニックンだった。
驚いて
ただ、ドアを開けると
キャップの上から
グレーのフードをすっぽり被って
マスクにサングラスのニックンがいて
持っていた傘からは
雨の雫が滴り落ちていた。
玄関先で足を止め
マスクとサングラスを取ると
唖然とする私にニックンは言った。
「すぐ帰るから、ここで話すよ」
ニックンに笑顔はなくて
私はニックンに近づくことさえ出来ない。
「さっきの電話・・あれ、何ですか？
俺が今ここに来るのがどれだけ大変だったか
それをいちいち説明するつもりはないけど
あなたは何もわかってないみたいだから
今から俺が話すことを黙って聞いて下さい」
それを言いに
わざわざ来たの・・？
「ニックン、待って」
「聞く気がないなら
帰りますよ・・俺」
ニックンは私に会いに
来てくれたわけじゃない。
怒りがおさまらなくて来たんだ。
「帰らないで・・聞くから」
そう言うだけで
精一杯だった。
私は・・誰の目にも
泣いたって一目でわかる顔をしてる。
いつものニックンなら
絶対に無視できないほど憔悴してた。
そんな私を見ても
ニックンは気遣う素振りさえ
見せなかった。
ニックンの彼女になる前でも・・
片思いをしてる時でさえ
こんなに冷たい
ニックンは見たことがない。
だから・・
怖くて堪らなかった。
ニックンは
本当に部屋には入らなかった。
雨に濡れたスニーカーを履いて
そこに立ったまま
話し始めた。
「俺たちの間に何か問題が起きたとき
あなたが今夜みたいな態度をとるなら
俺がいくらあなたのことを好きでも
俺達は上手くいかないと思う」
私はニックンの正面に立ち
それを聞いた。
顔色一つ変えずに
私を"あなた"って
そう呼ぶ・・ニックン。
だけど・・
いくら怒ってても
ニックンは麗しいことに
変わりはなかった。
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胡麻油(プロフ) - vol.624まで読みたいです♡笑 (4月14日 21時) (
レス) @page44 id: 5d4609bdae (このIDを非表示/違反報告)
凛生(プロフ) - 麻樹子さん» ありがとうございます(°▽°)覚えていて下さってまた読みに来て頂き感謝の気持ちでいっぱいです。この先もドキドキして貰えたらいいな(^-^) (3月1日 17時) (レス) @page12 id: 604374d13e (このIDを非表示/違反報告)
麻樹子(プロフ) - 凛生さん、お久しぶりです。長い間ずっと待ってました。今は2PMのお話が更新されなくなりとても淋しい気持ちでした。またドキドキするお話を拝見する事ができてすごく すごく楽しみです。ありがとうございます。 (2月28日 20時) (レス) @page10 id: 844b947a69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛生
| 作成日時：2024年2月16日 20時
