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口論 ページ21

「随分簡単に言うんだね」


「簡単に言ってない」


不安が心細さを
心細さが苛立ちを生んで
私達は初めて口論になった。


「タクシー使えないなら
ニックンの家には行けないから
諦めるしかないじゃない」


「今夜はもう
俺と会えなくてもいいの」


「ニックンが
来るなって言ってるんだよ?!」


「来るななんて言ってないよ
深夜に1人でタクシーで来させるのが
心配だって言ってるんだろ!」


いつもは優しいニックンが
瞬間的にでも
年上の私に
初めてぞんざいな言葉を使った。

ショックだった。


「わかったから、諦める
そしたら写真を撮られる事もないし
ニックンも、もう心配ないでしょ?!」


「全く・・救いようがないね」


「わかったからもう何も言わないでっ
ニックンが我慢出来ないくらい
すごく会いたいんじゃないなら
これからも無理して会わなくてもいいっ
タクシーがどうとかパパラッチがどうとか
理由はなんであれ、もうどうでもいいっ」


結局、会えないってこと。
ニックンは遠回しにそう言ってる。

いろんな理由を付けてるだけ。


「諦めるって先に言ったのはヌナなのに
どうして、この事で俺の気持ちを
測ろうとするんだよ?!」


「気持ちなんか測ってないっ」


「測ってるよ
俺がこんな時間にヌナをひとりで
タクシーに乗せたくないのにも
ヌナの写真を撮られたくないのも
正当な理由があるのに
どうしてそれがかわからないんだよ!」


「だから、わかってる!」


「ヌナは何もわかってない」


「今夜はもう会わなくていい、諦めるって
何度もそう言ってるのに
これ以上、私はニックンに何を言えばいいの
私になんて言わせたいの?!」


「わかった
じゃあ、もうそれでいい」


「それじゃあね、おやすみ」


ニックンはおやすみも言わずに
電話を切った。


私にとって

これが初めての
ニックンとの喧嘩だった。



電話を切った後
パンプスを脱ぎ捨て
ベッドに直行すると


私はそのまま
ベッドにうつ伏せて
声を上げて泣いた。



会えない寂しさからだけじゃない。

ニックンと喧嘩したことが
信じられなくて

涙が止まらない。



こんなに人を好きになって
こんなに分かり合いたくて
苦しくて

子供みたいに声をあげて
泣きじゃくったのは

この時が初めてだった。



私の頭や胸の中

私の体の全部。

頭の天辺からつま先
細胞のひとつひとつまで

私の中は
ニックンでいっぱいで

ニックンのこと以外
何も・・考えられなかった。

深夜3時の騒乱→←彼らの住む世界



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胡麻油(プロフ) - vol.624まで読みたいです♡笑 (4月14日 21時) (レス) @page44 id: 5d4609bdae (このIDを非表示/違反報告)
凛生(プロフ) - 麻樹子さん» ありがとうございます(°▽°)覚えていて下さってまた読みに来て頂き感謝の気持ちでいっぱいです。この先もドキドキして貰えたらいいな(^-^) (3月1日 17時) (レス) @page12 id: 604374d13e (このIDを非表示/違反報告)
麻樹子(プロフ) - 凛生さん、お久しぶりです。長い間ずっと待ってました。今は2PMのお話が更新されなくなりとても淋しい気持ちでした。またドキドキするお話を拝見する事ができてすごく すごく楽しみです。ありがとうございます。 (2月28日 20時) (レス) @page10 id: 844b947a69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凛生 | 作成日時:2024年2月16日 20時

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