らいおん3 ページ14
席替えをして、窓際の後ろから2番目。
そこが私の席となって、その真後ろにきたのは、
「ちょっと、やめて、」
私のポニーテールを徐に引っ張る菅田に、文句を言う。となりの席のサッカー部の男子が、「お前ら仲良すぎじゃね？」「中村先輩にちくる？」と、からかってくる。
「やめて」
「ちくれちくれー」
私と菅田の声が被り、隣の男子は呆れていた。
「この髪型、似合てる。かわいい」
プリントをまわすとき、ずいっと近付いてきてこそこそ、と誰にも聞こえないように言うから、不意打ちで照れる。
真後ろの席になったことをいいことに、何度もポニーテールを引っ張られたり、毛先をいじられたりして、もう明日からこの髪型はやめようと決意した。
「ねえ、菅田くんってさ。なんで金髪のまままかり通ってるか、みんな知ってた？」
昼休み、学食。
仲良しのグループで食事をとっていると、ひとりがそんなことを言い出した。
「ああ、知ってる、聞いた聞いた」
「え、なになに？なんでなの？」
日替わりB定食の唐揚げを頬張っていた私はもごもごするだけで話に乗れずにいると、それぞれの相槌で話が進む。
「お家がさ、そっち系みたいで」
「え、そっち系って？」
「お父さん、───組の組長だとか」
内緒話をするように、声を潜めて言う。
ごくん、咀嚼して飲み込んで、
「Aちゃんさ、菅田くんに気に入られてるもんね？大丈夫？てか、知ってた？」
いや、知らない。
───そうなんだ、そうか、ふうん。
「いや、知らなかった。気に入られてるとか、そんなんじゃないよ」
気に入られているのかもしれないけど、それを肯定していては、この女子の社会ではうまくやっていけないことをもう既に知っている。
「そうなんだね。まあAちゃんには中村先輩がいるしねー？」
「でも菅田くん、顔かっこいいよねー」
「わかるわかる」
「最近どうなの？中村先輩と」
「私彼氏と最近会えてなくてー」
「あ、年上の？いいよねー、年上」
「やっぱ大人だし奢りだし、車があるのいいよねえ」
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ヨーコ(プロフ) - ドキドキ止まりません！最高です！更新楽しみにしています♪ (2020年4月4日 20時) (
レス) id: b9e84898e5 (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます〜！楽しみにしていただけて嬉しいです。そろそろ終わりに向けて、と思ってますが、もう少しお付き合いくださいませ♪( ´▽｀) (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ショウさん» いつもありがとうございます〜！寒いの苦手なのは倫也さんのリアルを意識してみました( ´ ▽ ` )もうしばらくお付き合いくださいませ！ (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 更新とても嬉しいです！題名が２匹と書かれていたのでドキドキしながら読みました！そのさんの作品を見るのが今の私の楽しみです！少女漫画のようにきゅんきゅん毎回させてもらえて幸せな気持ちになります！これからも応援しています！ (2020年2月6日 15時) (レス) id: 57aaad4ad9 (このIDを非表示/違反報告)
ショウ(プロフ) - 感想遅くなりましたが、らいおんの告白とても胸に響きましたっ！2匹のやり取りの続きもとても楽しみに待ってます、おおかみが寒がりなところ保温ポット愛用されてるのでピッタリですね 笑 (2020年2月5日 15時) (レス) id: bd7e526c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：その | 作成日時：2019年12月10日 12時
