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歩道の反対側、黒塗りのあからさまとも言える高級車が車道に停まっているのが目に留まる。運転席から降りてきたのはこれまた真っ黒のスーツの見慣れない雰囲気の男の人で、その人の行先には、
(菅田...)
金髪のその姿。その傍らには明るい髪色の、S女子校の制服、遠目からでも目立つ女の子が立っている。
後部座席のドアを慣れた手つきで開ける黒いスーツの男に、手をぷらぷらと振って、何か言い、乗り込まずに傘だけ奪い取って、その女の子と歩き出した。一瞬のことだったけれど私はその光景から目を離せずにいると、
「A、」
倫也先輩に呼ばれ、我に帰る。
「あ、はい、」
返事しながら倫也先輩を見上げると、じいっと私の目を見つめ、
「マック寄ってかない？って言ったの」
「あ、うん。寄ります、行きましょう」
焦って答える私に、倫也先輩は何か言いたそうだったけど、言葉を飲み込んだようだった。
店内は意外に混んでいて、空いている席を確保するのに私だけ座り、倫也先輩は注文しにカウンターへ向かった。
「あ、ここ。空いてますかあ？」
可愛らしい声、ふと目線をあげると、S女子校の制服、恐らくさっき菅田といた女の子が隣の席を指差していた。
「あ、......はい、もちろん。どうぞ、どうぞ」
答えると、どうもー、とニコニコ笑って明るい茶色に染められた綺麗な巻き髪と、短いスカートを揺らし、隣のテーブルについた。将暉ー！ここー！って、手をあげるから、予想はついていたけど、菅田の姿。
(どうしよう...)
(気まずい...)
気がする。この状況。
ファストフードの隣同士なんて、ほんの少ししか離れていないし。でも、ここで私が席を離れるのも、なんか違う気がする。
「ええ席やん、」
わざとそんなことを言って、チラ、と横目で私と目線を合わせただけで、それ以上声をかけることはない。
「あは。何それ？ここしか空いてなかったー」
「えーよ、どこでも」
ドリンクを手に取ってズズ、とストローで吸う。私の隣、人一人分ほど空けて座っているその彼女は、菅田のなんなんだろう。と、考えを巡らせてしまうし、シェイク一口ちょーだい、なんて甘えた声でお願いしている様子は、ただの友達ではないことを伝えている。
私は鞄からスマホを取り出して、目線を落とす。見ないフリ、知らないフリ。
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ヨーコ(プロフ) - ドキドキ止まりません！最高です！更新楽しみにしています♪ (2020年4月4日 20時) (
レス) id: b9e84898e5 (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます〜！楽しみにしていただけて嬉しいです。そろそろ終わりに向けて、と思ってますが、もう少しお付き合いくださいませ♪( ´▽｀) (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - ショウさん» いつもありがとうございます〜！寒いの苦手なのは倫也さんのリアルを意識してみました( ´ ▽ ` )もうしばらくお付き合いくださいませ！ (2020年2月6日 21時) (レス) id: 55b0c33bda (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 更新とても嬉しいです！題名が２匹と書かれていたのでドキドキしながら読みました！そのさんの作品を見るのが今の私の楽しみです！少女漫画のようにきゅんきゅん毎回させてもらえて幸せな気持ちになります！これからも応援しています！ (2020年2月6日 15時) (レス) id: 57aaad4ad9 (このIDを非表示/違反報告)
ショウ(プロフ) - 感想遅くなりましたが、らいおんの告白とても胸に響きましたっ！2匹のやり取りの続きもとても楽しみに待ってます、おおかみが寒がりなところ保温ポット愛用されてるのでピッタリですね 笑 (2020年2月5日 15時) (レス) id: bd7e526c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：その | 作成日時：2019年12月10日 12時
