第2話 ページ2
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あの文字は消せないまま
冬休みの前日になった。
机のその文字をそっとなぞって
私が徐ろに手にしたのは、
消しゴム、じゃなくてシャープペン。
“大丈夫です。気を遣わせてしまってすみません。また気が向いたら書くので気にしないでください。”
返事が返ってくるなんて思ってない。
だけど、そのメッセージを消すには
自分の中の何かを消費したかった。
約1ヶ月間の冬休み
私にとっては少しだけ長く感じた。
心のどこかで、返事を望んでる自分がいたからかもしれない。
来ないに等しいはずなのに。
登校日
少しだけ早く家を出た。
まだ外が薄暗い。
いつもと違う時間に電車に乗ると、
向かいのシートに眠る、作業着を着た男の人
黒いリュックを抱きしめながら寝ている。
『ライオン……？』
手作りであろうライオンのストラップが
ゆらゆら揺れている。
偶然すぎる偶然、なのだろうか
｢ご乗車ありがとうございました。まもなくー…｣
そんなことを考えていたら、学校の最寄り駅
憂鬱な気持ちと期待する気持ちが混じりあって
行きたくないけど、行きたい、
そんな変な感情に陥る。
教室に入れば、そこはいつもの世界
だけど私の机だけ、なぜか浮いて見えた。
『うわ…っ？』
返事なんて期待してなかったはずなのに
“上手だったから消すのが名残惜しかったです。
また描いてください。
わざわざお返事くれてありがとうございました”
またあのライオンのマークとともに
そんなメッセージが私の机に刻まれていた。
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朝来(プロフ) - コジコジさん» コメントありがとうございます(*^^*)こんな作品でしたが楽しんでいただけて嬉しいです(T_T)次回作もよろしくお願いします！ (2021年3月23日 9時) (
レス) id: c0fbdcfbcb (このIDを非表示/違反報告)
コジコジ(プロフ) - 完走おめでとうございます！！！お疲れ様でした！楽しみに読ませていただきました！次回作も楽しみにしています！ (2021年3月23日 6時) (レス) id: 98f9dd7943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝来 | 作成日時：2021年2月16日 20時
