春をみつける (ページ18)

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……俺いま普通の顔できてんのかな、
…色んな意味で結構心臓バクバクなんだけど。

『今から部活？』

「うん、…瀬尾さんは？」

『わたしも部活だよ。日誌書いてたからちょっと遅くなっちゃったけど』

「そうなんだ」

急に現れた瀬尾さんにドキドキしながらも、案外普通に話せている自分に少しホッとする。

自然と一緒に歩く流れになって廊下を進んでいると、すぐ隣の瀬尾さんが『そう言えばハンくんって何部なの？』と問うた。

「俺？ダンス部だよ」

『えっ！そうなの？？』

驚いたような声を出した瀬尾さんが体ごとこっちを向くのを見て「そんなに驚く？」と、思わず笑みがこぼれる。

『いや、ちょっと予想外で…』と言う彼女にイタズラ心が芽生えて「なに。俺がダンス部でそんなに意外？」と少し嫌みたらしく問うた。

『ちが、そういうわけじゃないんだけどなんて言うかその、…運動部だろうなとは思ってたよ？』

焦ったようにしどろもどろになってよくわからない弁明をする瀬尾さんがかわいくて、ふはっと堪えていた笑いが溢れる。

「ごめん、そんなに慌てなくていいよ」

堪えきれなかった笑いをこぼしながら「ちょっとからかいたくなっちゃって、」と言うと大慌てしていた瀬尾さんは『も〜、やめてよ……』とじとりとした視線を俺に向けた。

『失礼だったなって、ちょっと焦ったよ…』

「ごめんごめん」

『……まあでもハンくんかっこいいから、ダンス部でも納得だね。想像つくかも、イケイケな感じのハンくん』

慌てる瀬尾さんを見て楽しんでいたところに、そんな大爆弾を落とされて今度は俺の方が過剰に反応しそうになる。

「……からかわないでよ、」と俺が拗ねたように口にすると、形勢逆転と言わんばかりの瀬尾さんは『仕返し、』と満足げに微笑んだ。