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ピカピカと光を反射する石。
雲ひとつない青空が広がる昼下がり、辺りには誰もいない。
長かった。
ここに来れるようになるまで6年もかかった。
持ってきたお菓子と花をそっと供えて、目を閉じる。
｢卒業したよ、お兄｣
あなたが過ごした場所、あなたが過ごしたかった場所、あたしがちゃんと卒業した。
あれから他の生徒とは距離ができたままだったけど、戦友はずっと隣に居てくれたの。
覚えてる？藤井流星と小瀧望。
あの人たちはお兄みたいな人を助けたいって言って福祉の専門学校に進学したよ。
人の道を外れかけた子供が、お兄のおかげで立派な夢を持ったんだよ。
あたしは4月から大学生で、
これまたやっぱり福祉系なんだよね。
あいつらは大阪、あたしは千葉で遠くなったけど、このまま頑張ってたらまたどっかで会うかもしれないなあ。
いろいろあったけど、あいつらと仲良くなれてよかった。
これもお兄のおかげだね。
あたしを強くしてくれてありがとう。
｢見守っててよ。これからも｣
その時、暖かい風が一瞬だけあたしの頬を撫でた。
季節は冬で、どう考えたって暖かい風なんて吹くわけがないのに。
きっとお兄がここにいるんだなって思いながら、折り曲げていた膝を戻して振り返る。
｢…え？｣
『よう、久しぶり…ってか2週間ぶり』
小瀧が綺麗な花を抱えて立っていた。
『今日6回忌やろ、朔也くん』
その隣に、お菓子と線香を抱えた藤井。
2人ともスーツを着て、ちゃんと髪をセットしていた。
卒業式でさえ制服は着崩して頭も最低限にしか整えていなかった彼らが。
『…朔也くん、久しぶりです』
『俺らデカなったでしょ』
2本並んだ線香の煙は、どこまでも高く伸びてゆく。
再会を喜ぶかのように
暖かい風が3人を包んでいた。
(( 久しぶり ))
そう、聞こえた気がした。
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カジャ(プロフ) - ももせ/さん» 初めまして、とても嬉しい言葉ばかりで感激です。重めの話ばかりで恐縮ですが、そう言って頂けると書いてきて良かったなと思います。こんな話でよければどうぞお楽しみください (2021年12月18日 22時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
ももせ/(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく作品を拝見させていただいております。過去作品もどれもとても好きなのですが今作品はまた少し違った雰囲気でとても面白く読んでおります。毎日少しずつでも更新されるのが本当に楽しみです。どうかご無理のない範囲で、引き続き応援してます (2021年12月17日 2時) (レス) @page12 id: 13d7ddc5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りりぱんださん» 前作に続きコメントありがとうございます。直接言葉を頂けるのが何よりの励みです、お楽しみいただければ幸いです (2021年12月16日 17時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りりぱんだ(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！無理せず作者様のペースで更新してください！楽しみに読み続けます◎ (2021年12月10日 0時) (レス) @page5 id: e017cd0bab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2021年12月8日 17時
