57＿＿ ページ17
いつもこうしていた。
どっちかが暴れる時はどっちかが見守る。
小瀧を止められるのは藤井で、
藤井を止められるのは小瀧だけだった。
2人同時にタガが外れたのは…あの時の、1度だけ。
『落ち着いたか』
『…ごめん。俺が騒いでる場合ちゃうのに』
『まぁ、しゃあないわ。あれは』
2人にとっての忌まわしき記憶。
それは、彼女と同じだった。
『流星、俺らあいつに教えといた方がよかったんかな』
彼らもまた、あの時の全てを知っている。
彼女が知りたかったことも、知らないことも、全て。
『分からん。でも…Aが警察連れていかれたんは俺らにも責任ある』
教室はAの騒動に加え、藤井が暴れたこともあって授業どころではないだろう。
生徒の好奇心に負け一部始終を話すほどだ。
まさか転校生がそんなことを起こすとは夢にも思わない。
しかも女子が。
『俺…聞いたんよな、あいつから』
『何を？』
『復讐のために来たって言うてた』
小瀧にしか明かさなかった秘密。
誰にも知られまいと1人抱えてきた煮え滾るほどの感情。
『俺らの約束が揺らぐぐらい、ものすごい目やった』
鬼をも震わせる気迫を纏ったその姿を一瞬だけ。
ただ少し、変わった女だと思っていただけなのに。
だがまた同時に彼もその瞬間、一層口を固めることを決意した。
知ったら彼女が壊れてしまうのは確実。
言わないのが懸命な判断だと。
もう今となっては分からない。
結局彼女は暴走し壊れてしまったのだから。
『…迎えに行こう、流星』
『……おう』
どこか遠くで、教師の牽制する声が聞こえる。
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カジャ(プロフ) - ももせ/さん» 初めまして、とても嬉しい言葉ばかりで感激です。重めの話ばかりで恐縮ですが、そう言って頂けると書いてきて良かったなと思います。こんな話でよければどうぞお楽しみください (2021年12月18日 22時) (
レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
ももせ/(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく作品を拝見させていただいております。過去作品もどれもとても好きなのですが今作品はまた少し違った雰囲気でとても面白く読んでおります。毎日少しずつでも更新されるのが本当に楽しみです。どうかご無理のない範囲で、引き続き応援してます (2021年12月17日 2時) (レス) @page12 id: 13d7ddc5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りりぱんださん» 前作に続きコメントありがとうございます。直接言葉を頂けるのが何よりの励みです、お楽しみいただければ幸いです (2021年12月16日 17時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りりぱんだ(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！無理せず作者様のペースで更新してください！楽しみに読み続けます◎ (2021年12月10日 0時) (レス) @page5 id: e017cd0bab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2021年12月8日 17時
