36-黒い純情 ページ38
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「好き、です。付き合ってください」
「……えっと、ごめん。いきなりでびっくりした。
綾瀬さん、俺の事好きなの？」
１回目の告白は、俺は突然の事にびっくりして断った。
綾瀬さんといえばどちらかというと男にとっては密かに思いを寄せる対象としてよく名前が上がっていて、いつも女子同士で楽しそうにしていて…。
頭が良いのにちょっと抜けてるところが可愛い、と噂されていた存在だった。
俺の事知ってたんだ。
それが最初の印象だった。
だって同じクラスにもなった事ないし、話したのも数回だったし、何で俺？
――とにかく、綾瀬さんが俺に告白したという事実が、今後を大きく動かす事になった。
「…綾瀬さん？ こんな所でどした？」
「あ、御影くん…。あはは、私間違えて筆箱落としちゃったみたいで」
「ええ？ 抜けてるっつったってここには捨てねえだろ」
「ねー本当だよね」
肩までの髪がさらさらと揺れて 彼女が躊躇いなく教養ゴミ箱に手を突っ込んだ。
花みたいな顔してんのに、意外と思いきりが良いんだなと感心する。
「新しいの買ってやろうか？」
「…え？」
「いや、汚れたし洗う時間無駄だろ」
若干埃被った白のペンケースの中身を取り出して水道で洗う後ろ姿に、俺は何気なくそう言った。
水道を止めて振り返る綾瀬さんは美人で、これはモテるわと勝手に納得する。
「ありがとう。でもこれがいいの。沢山思い出を作って、今までありがとうって思えてからまたお願いしようかな」
「…そっか、ごめんな！」
「ううんいいよ、ありがとう」
この人、本当にこの間俺に告白してきた人か？
仮にも好きな男がものをくれるって好機を迷うことなく断った。
物を大切に扱う子なんだな。
それが２回目の印象。
なのに俺が見かける度彼女は筆箱を"落として"いて、その背後に影が差している事を何となく察した。
「なー、凪。お前綾瀬さんの事どう思う？」
「あーお菓子くれた人」
「どういう認識してんだよ。てか餌付けされんな」
「あの人こないだ虐められてたから助けた」
「……は？ いじめ？」
「なーんか女子って面倒くさい事好きだよねー。
綾瀬さんも面倒くさいけど、…玲王どこ行くの」
机に突っ伏した凪の言葉を聞いて俺は教室を飛び出した。
何でだ。何であんな子が、綾瀬さんが。
普通科へ早足で向かっている途中で、女子トイレから集団の声が聞こえて足を止めた。
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おそらまめ(プロフ) - 砂時計さん» 砂時計様。よくわかってらっしゃる…。完璧な男が好きな女性を囲う為に色んな手を使って縋りつく姿をどうしても書きたくて（笑）夢主はきっと彼の思惑なんて一生気づかないまま捕まってるんです。それがいい。 (2023年5月6日 11時) (
レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - コメント失礼致します。我慢できず…言葉を綴らせてください。 甘やかして、それでも駄目なら、と縋り着く執着御曹司が素晴らしすぎてしんどいです。夢主ちゃんもがっつり捕まってて、玲王の策略なのかなと妄想すると更にエモい。これからも応援しております😭♡ (2023年5月4日 11時) (レス) id: 9f48da2d13 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ぺイさん» ペイ様、コメントありがとうございます！楽しんで頂けてるようで嬉しいです。沢山食べて味わってくださいね！次の更新をお待ちください。 (2023年5月3日 23時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
ぺイ - う、うあ〜！おいしすぎぃー！本当にありがとうござますっ！これからも追います！ (2023年5月2日 18時) (レス) @page40 id: 470dc29d1f (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - おにぎりさん» おにぎり様、コメントありがとうございます。ちゃんと重重な様子を描けてるか不安でしたがそう言って頂けて安心しました、こちらこそ大変光栄です。応援ありがとうございます、次の更新をお楽しみにお待ちください。 (2023年4月15日 19時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2023年4月6日 19時
