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白石side





何度も仲間をこの手で救えなかった。





最初は黒田先生。
先生の医師生命を絶った。




次にA。
もう搬送された時には手の施しようがなくて
溢れ出る血を止めてあげることも出来なかった。





そして藍沢先生。
彼は助かる見込みはあったのに。



もっと知識があれば

もっと技術があれば

もっともっと、勉強すれば良かった。




「藍沢先生…」




Aの時のように
綺麗に縫合してあげて




霊安室に横たわる彼の表情は
何だかとてもスッキリしていて穏やかだ。






「白石」

「緋山先生」

「藍沢、チビAの事、庇ったんだってね」

「うん」






振り返るといつの間にか緋山先生がいて
泣きそうな顔をしてこちらを見ていた。





「はぁ、藤川夫婦がもう落ち込みまくってさ。
もう泣く泣く。
藤川の涙なんか見飽きたってーの」

「緋山先生」

「だからさ。藍沢の分までチビAを
大事に育てなって言っといた」

「…うん、そうだね」







その瞳からはポロポロと涙が溢れてて
私の治ったはずの涙もまた
ポロポロと流れ出した。





「アイツ、A命だったからって
何もこんなに早くAの所に行かなくても
よかったじゃん」

「…うん、うん、」

「ほんとバカ!!」

「うん、バカ!」





床に出来るシミにもおかまいなしで
私達は文句を言おうと藍沢先生の元に近づく。





「穏やかな顔しちゃってさ。
死んだら元も子もないじゃない」

「もっと患者助けてから逝ってよ、、、」






もっともっと文句を言おうとした時。






_________恵ちゃん、美帆ちゃん







ふわり。





またレモンの香りがした。








「A?」

「そこにいるの?」






当たりを見回しても何も見えないけど
確かにそこに存在するのがわかる。





_________お前ら、死人に悪口言うとは






_________いい度胸だな






「げ?!藍沢?!」

「き、聞いてた、、、?」







_________悪かった。







「え?」







_________ごめんね、恵ちゃん







_________美帆ちゃん、恵ちゃんをよろしくね








「…あんた達、一緒にいるんだ」

「うん」







2人の声がして
側にいるってわかって。





今まで悲しかったのに
やっと2人は結ばれたのかと思うと
無性に嬉しくて







「藍沢、A泣かせたら許さないから」







緋山先生の涙を浮かべた悪態に
少しだけ心が軽くなった気がした。





.

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設定タグ:藍沢耕作 , 山下智久 , コードブルー   
作品ジャンル:恋愛
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いるか - えっ!!!これからどうなるの!!??すっごく気になります!!あと、感動して涙が止まりません。更新楽しみに待ってます! (2020年12月10日 0時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - 作品を書く際にここをこうしたらいいというヒントとかありますか?? (2020年12月6日 10時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - どっちだァァ!藍沢先生?!それとも2歳の子の方?!となってます。更新楽しみにしてます! (2020年11月30日 8時) (レス) id: 4b111e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
いるか - 主人公が亡くなってしまい話が終わってしまったと思っていたら続きの話が更新されてとっても嬉しかったです!続き楽しみにしてます!! (2020年11月30日 1時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - それにゆずさんの話私はもう虜ですよ。今作品独自の魅力があります。それに私も書いてる側なので何となく分かりますが掛け持ちやら終わってすぐ他のを書き始めるなど、精神的にもなかなか大変なのですよ。なのでコメ欄にもう書いたんですから、これ以上は…。 (2020年11月29日 8時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2020年9月25日 22時

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