code blue -I will love you always-3

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白石side







何もする気にならなくて





幸か不幸か、ホットラインもならないこの医局には
緋山先生と冴島さん、そして私が
何をするでもなく各自それぞれの場所に座って
いつの間にか落ちていたレモンの実を
ただただ黙って見つめていた。







_______バン！！






勢いよく扉が開いたと思ったら
息を切らした藤川先生で







「はぁ、はぁ、、、っ、子どもは、、
助かった…っ、！」








その一言を聞いて、やっとひいたと思っていた
涙が再びこぼれ落ちて







「Aは…？」







私たちの顔を見回して
段々と青くなって行く表情。







「…え？…なぁ、どうしたんだよ、」








緋山先生がゆっくりと首を横に振ると
藤川先生は膝から崩れ落ちた。








「な、んで、、、」







誰もが思っていた事だった。
なんでAが？
今日病院に来るって、
今から行くよ！って、
連絡くれたのに。







折角あのトンネル崩落事故から回復し始めた矢先の
交通事故、だなんて。







「…どうした」

「藍沢っ、」







シン、と静まり返った医局に凛とした声が響いて






「…、レモンが落ちてる。」






誰も何も言わない中
藍沢先生は落ちていたレモンを拾い上げて
Aのデスクに置いた。







「収穫したかったって怒るだろうな」






誰も





藍沢先生に何も言えなかった。







「、おい。、さっきから何故黙ってるんだ」

「そ、れは…」







誰が、どう伝えればいいの？








「Aは？
ICUにいたか？？」

「っ、」







人は誰もが
愛する人が死ぬはずなんてないと
思い込んでいて






奪われた瞬間に







かけがえのないものだったのだと後悔する







「Aは…」








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